« 10月18日の「聖書と典礼」 | トップページ | 11月 1日の「聖書と典礼」 »

2015年10月24日 (土)

10月25日の「聖書と典礼」

10月25日『年間第30主日』

「わたしは、目の見えない人も、歩けない人も、慰めながら導く」

( 第1朗読主題句 エレミヤ書31 89節より )

 

 

 

1朗読               エレミヤ書

31 79節)

紀元前10世紀にイスラエルは南北2つの王国に分裂したが、北イスラエルは紀元前720年、アッシリア帝国のよって滅ぼされてしまった。エレミヤ(南ユダの預言者、紀元前600年前後に活動)はこの個所で北イスラエルの回復を預言する。

 

 

エレミヤの預言

主はこう言われる。
ヤコブのために喜び歌い、喜び祝え。
諸国民の頭のために叫びをあげよ。
声を響かせ、賛美せよ。
そして言え。
「主よ、あなたの民をお救いください
イスラエルの残りの者を。」
見よ、わたしは彼らを北の国から連れ戻し
地の果てから呼び集める。
その中には目の見えない人も、歩けない人も
身ごもっている女も、臨月の女も共にいる。
彼らは大いなる会衆となって帰って来る。
彼らは泣きながら帰って来る。
わたしは彼らを慰めながら導き
流れに沿って行かせる。
彼らはまっすぐな道を行き、つまずくことはない。
わたしはイスラエルの父となり
エフライムはわたしの長子となる。

 

(註)ヤコブ……北イスラエルと南ユダの共通の父祖。ここでは全イスラエルの意味。

(註)イスラエルの残りの者……この「イスラエル」は北イスラエルのこと。アッシリアの滅ぼされた北王国の人々はアッシリアに強制連行されたが、完全に滅んでしまったわけではない。この「残りの者」たちが再建される民の核となる。

(註)北の国……アッシリアの地

(註)エフライム……ヨセフの子の名前で、イスラエルの12部族の一つ。北王国の中心部族となり、北王国の別名にもなった。ここでは「イスラエル」と同義                              

 

 

 

2朗読             ヘブライ人への手紙

旧約の大祭司と対比しながら、新約の大祭司イエス・キリストについて語る。

516節 )

 

 

ヘブライ人への手紙

 大祭司はすべて人間の中から選ばれ、罪のための供え物やいけにえを献げるよう、人々のために神に仕える職に任命されています。大祭司は、自分自身も弱さを身にまとっているので、無知な人、迷っている人を思いやることができるのです。また、その弱さのゆえに、民のためだけでなく、自分自身のためにも、罪の贖いのために供え物を献げねばなりません。また、この光栄ある任務を、だれも自分で得るのではなく、アロンもそうであったように、神から召されて受けるのです。
 同じようにキリストも、大祭司となる栄誉を御自分で得たのではなく、
 「あなたはわたしの子
 わたしは今日、あなたを産んだ」
と言われた方が、それをお与えになったのです。
また、神は他の個所で、
 「あなたこそ永遠に
 メルキゼデクと同じような祭司である」
と言われています。

 

(註)自分自身のためにも……罪を犯した祭司は、自分の罪のためにいけにえをささげた(レビ記4312節)が、イエス・キリストは罪がない(ヘブライ人への手紙415節)。

(註)アロン……モーセの兄で、最初の大祭司。

(註)あなたはわたしの子……詩編27節の引用。

(註)あなたこそ永遠に……詩編1104節の引用。この詩編は王であり、祭司であるメシアについて歌う。

(註)メルキデゼク……創世記141720節でアブラム(アブラハム)を祝福したサレム「エルサレム」の王であり、「いと高き神の祭司」とも呼ばれている。

 

 

 

福音朗読              マルコによる福音

イエスは十字架への道を歩み、弟子たちに従うよう招くが、

ここではいやされた盲人がイエスの道に従っていく。

104652節 )

 

 

マルコによる福音

イエスが弟子たちや大勢の群衆と一緒に、エリコを出て行こうとされたとき、ティマイの子で、バルティマイという盲人の物乞いが道端に座っていた。ナザレのイエスだと聞くと、叫んで、「ダビデの子イエスよ、わたしを憐れんでください」と言い始めた。多くの人々が叱りつけて黙らせようとしたが、彼はますます、「ダビデの子よ、わたしを憐れんでください」と叫び続けた。イエスは立ち止まって、「あの男を呼んで来なさい」と言われた。人々は盲人を呼んで言った。「安心しなさい。立ちなさい。お呼びだ。」盲人は上着を脱ぎ捨て、躍り上がってイエスのところに来た。イエスは、「何をしてほしいのか」と言われた。盲人は、「先生、目が見えるようになりたいのです」と言った。そこで、イエスは言われた。「行きなさい。あなたの信仰があなたを救った。」盲人は、すぐ見えるようになり、なお道を進まれるイエスに従った。

 

(註)エリコ……ヨルダン川下流の町。エルサレムまで20キロメートル程の距離にある。

(註)ダビデの子……イスラエルをローマ帝国の支配から解放してくれる理想的な王(メシア)はダビデ王の子孫から出ると考えられていた。バルティマイは人々がイエスのことをそう噂しているのを聞いていたのであろう。

(註)先生……原語はアラム語で「ラボニ」(ヨハネによる福音2016節参照)。「ラビ(先生)よりも強い意味で、「わたしの主」というような意味を持つとも言われる。

(註)なお道を進まれる……直訳では、「その道の中で」。

 

 

(オリエンス宗教研究所発行「聖書と典礼」20151025より)

« 10月18日の「聖書と典礼」 | トップページ | 11月 1日の「聖書と典礼」 »