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2016年7月 8日 (金)

7月10日の「聖書と典礼」

710() 年間第15主日  (C年)

御子は、見えない神の姿であり、

すべてのものが造られる前に生まれた方です。

(コロサイの信徒への手紙 115節)

 

 

 〔約束の地を前にして、モアブ(死海の東側)で、モーセが民に語った説教の終わりに近い部分。主に立ち返るものへの祝福(Ⅰ-10節)を述べた後に、主のことばを行うように励ます。〕

第一朗読           申命記 

御言葉はあなたのごく近くにあるのだから、それを行うことができる。

(30章1014節)

申命記

 〔モーセは民に言った。10あなたは、〕あなたの神、主の御声に従って、この律法の書に記されている戒めと掟を守り、心を尽くし、魂を尽くして、あなたの神、主に立ち帰〔りなさい。〕
11わたしが今日あなたに命じるこの戒めは難しすぎるものでもなく、遠く及ばぬものでもない。12それは天にあるものではないから、「だれかが天に昇り、わたしたちのためにそれを取って来て聞かせてくれれば、それを行うことができるのだが」と言うには及ばない。13海のかなたにあるものでもないから、「だれかが海のかなたに渡り、わたしたちのためにそれを取って来て聞かせてくれれば、それを行うことができるのだが」と言うには及ばない。14御言葉はあなたのごく近くにあり、あなたの口と心にあるのだから、それを行うことができる。

 

〔コロサイは小アジア(今のトルコ)のフリギア地方の都市。この町のキリスト者を惑わしていた「世を支配する諸霊」というような考えに反対して、パウロは宇宙の王であるキリストを賛美する〕

第二朗読       コロサイの信徒への手紙

万物は御子によって、御子のために造られた。

(1章1520節)

                             

使徒パウロのコロサイの教会への手紙

15御子は、見えない神の姿であり、すべてのものが造られる前に生まれた方です。16天にあるものも地にあるものも、見えるものも見えないものも、王座も主権も、支配も権威も、万物は御子において造られたからです。つまり、万物は御子によって、御子のために造られました。17御子はすべてのものよりも先におられ、すべてのものは御子によって支えられています。18また、御子はその体である教会の頭です。御子は初めの者、死者の中から最初に生まれた方です。こうして、すべてのことにおいて第一の者となられたのです。19神は、御心のままに、満ちあふれるものを余すところなく御子の内に宿らせ、20その十字架の血によって平和を打ち立て、地にあるものであれ、天にあるものであれ、万物をただ御子によって、御自分と和解させられました。

()15造られる前に生まれた……箴言822-31節では「知恵」がすべてのものに先立って生み出されていたといわれる。新約聖書では、御子イエスこそ、この「知恵」であると考えられるようになっていく。

()18最初に生まれた方……原語は15節の「前に生まれた方」と同じ。

 

 ルカ福音書だけが伝える有名なたとえ話。ルカ福音書の中で、この話は、951節から始まるエルサレムへ向かう旅の途中に置かれている。

福音朗読        ルカによる福音書

わたしの隣人とは誰ですか。

(10章2537節)

ルカによる福音

25〔そのとき、〕ある律法の専門家が立ち上がり、イエスを試そうとして言った。「先生、何をしたら、永遠の命を受け継ぐことができるでしょうか。」26イエスが、「律法には何と書いてあるか。あなたはそれをどう読んでいるか」と言われると、27彼は答えた。「『心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい、また、隣人を自分のように愛しなさい』とあります。」28イエスは言われた。「正しい答えだ。それを実行しなさい。そうすれば命が得られる。」29しかし、彼は自分を正当化しようとして、「では、わたしの隣人とはだれですか」と言った。30イエスはお答えになった。「ある人がエルサレムからエリコへ下って行く途中、追いはぎに襲われた。追いはぎはその人の服をはぎ取り、殴りつけ、半殺しにしたまま立ち去った。31ある祭司がたまたまその道を下って来たが、その人を見ると、道の向こう側を通って行った。32同じように、レビ人もその場所にやって来たが、その人を見ると、道の向こう側を通って行った。33ところが、旅をしていたあるサマリア人は、そばに来ると、その人を見て憐れに思い、34近寄って傷に油とぶどう酒を注ぎ、包帯をして、自分のろばに乗せ、宿屋に連れて行って介抱した。35そして、翌日になると、デナリオン銀貨二枚を取り出し、宿屋の主人に渡して言った。『この人を介抱してください。費用がもっとかかったら、帰りがけに払います。』36さて、あなたはこの三人の中で、だれが追いはぎに襲われた人の隣人になったと思うか。」37律法の専門家は言った。「その人を助けた人です。」そこで、イエスは言われた。「行って、あなたも同じようにしなさい。」

()27心を尽くし、精神を尽くし~……申命記65節の引用。このことばをユダヤ人は毎朝唱えていた。

() 隣人を自分のように~……レビ記1918節の引用。マルコによる福音1230-31節とマタイによる福音2237-39節では、イエス自身がこの二つの掟を述べている。

()30エリコ……ヨルダン川の下流に位置する古い町。エルサレムよりずっと低く、海面下にある。

()31祭司……エルサレムの神殿で宗教儀式を司るもの。

()32レビ人……神殿で奉仕にあたるが、祭司よりも低い階級の人。

()33サマリア人……ユダヤ人からは異端者のように考えられ軽蔑されていた。律法学者の考えでは、「隣人」ではありえない種類の人間である。

() 憐れに思い……目の前の人間の苦しみを見て、自分のはらわたがゆさぶられること。非常に深い共感を表すことばである。ルカによる福音713節、1520節参照。

()35デナリオン銀貨……一デナリオンは一日の日当にあたる。

 

 

(オリエンス宗教研究所発行「聖書と典礼」2016710より)

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