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2016年12月31日 (土)

2017年1月1日 「神の母聖マリア」(世界平和の日)の聖書と典礼

1 1日 神の母聖マリア (A年)

マリアはこれらの出来事をすべて心に納めて、思い巡らしていた。

(ルカによる福音書219節より)

 

 〔年の初めの聖書朗読は、古くからイスラエルの伝わる祝福のことば。祭司が礼拝に集まった民を祝福することばであるが、この祝福の源は神ご自身である。〕

第一朗読           民数記

彼らがわたしの名をイスラエルの人々の上に置くとき、

わたしは彼らを祝福する。

(6章2227節)

民数記

22主はモーセに仰せになった。
23アロンとその子らに言いなさい。
 
あなたたちはイスラエルの人々を祝福して、次のように言い

 なさい。
24主があなたを祝福し、あなたを守られるように。
25主が御顔を向けてあなたを照らし
 あなたに恵みを与えられるように。
26主が御顔をあなたに向けて
 あなたに平安を賜るように。
27彼らがわたしの名をイスラエルの人々の上に置くとき、

わたしは彼らを祝福するであろう。

(註)23アロン……モーセの兄弟として知られ、イスラエルの正統の祭司の家系はこのアロンに始まると考えられた。

(註)25御顔を向けて……好意を示すことを表す。

(註)27わたしの名を~置く……「主が」ということばが三度唱えられることによって、主の名が民の上に置かれて民は完全に神のものとなる。

 

 〔神は御子イエスをまことの人間として、特定の時代、民族、文化の中に生まれさせた。そのことの中にパウロは神の救いを見る。〕

第二朗読      ガラテヤの信徒への手紙

神はその御子を女から生まれた者としてお遣わしになった。

(4章47節)

使徒パウロのガラテヤの教会への手紙

 4〔皆さん、〕時が満ちると、神は、その御子を女から、しかも律法の下に生まれた者としてお遣わしになりました。5それは、律法の支配下にある者を贖い出して、わたしたちを神の子となさるためでした。6あなたがたが子であることは、神が、「アッバ、父よ」と叫ぶ御子の霊を、わたしたちの心に送ってくださった事実から分かります。7ですから、あなたはもはや奴隷ではなく、子です。子であれば、神によって立てられた相続人でもあるのです。

(註) 4時が満ちる……神の計画の中で決定的な救いの時が来たことを意味する。

(註) 6アッバ……アラム語で子供が父親に向かって呼びかけるときのことば。イエスを神をアッバと呼び(マルコによる福音1436節)、弟子たちにもそのように祈ることを教えた(主の祈り)。

 

 〔救い主の誕生は、天使によってベツレヘム近郊で野宿していた羊飼いたちに告げられた。主の降誕から八日目にあたるきょうの福音は、イエスの誕生に続いて起こった出来事を伝える個所が読まれる。

福音朗読        ルカによる福音書

羊飼いたちは、マリアとヨセフと乳飲み子を探し当てた。八日たって幼子はイエスと名付けられた。

(2章1621節)

ルカによる福音

16〔そのとき、羊飼いたちは〕急いで行って、マリアとヨセフ、また飼い葉桶に寝かせてある乳飲み子を探し当てた。17その光景を見て、〔彼らは、〕この幼子について天使が話してくれたことを人々に知らせた。18聞いた者は皆、羊飼いたちの話を不思議に思った。19しかし、マリアはこれらの出来事をすべて心に納めて、思い巡らしていた。20羊飼いたちは、見聞きしたことがすべて天使の話したとおりだったので、神をあがめ、賛美しながら帰って行った。
21八日たって割礼の日を迎えたとき、幼子はイエスと名付けられた。これは、胎内に宿る前に天使から示された名である。

(註)17天使たちが話してくれたこと……ルカによる福音21012節参照。

(註)21割礼……男子の包皮を切除すること(レビ記123節参照)。アブラハムと神の契約のしるしであり(創世記17914節)、これにより神の民の一員になると考えられた。

(註) 天使から示された名……ルカによる福音131節、マタイによる福音121節参照。

 

(オリエンス宗教研究所発行「聖書と典礼」20161225 より)

 

 

~~~11日 神の母聖マリアの祝日~~~

マリアを「神の母」という称号のもとに敬い、その保護を祈り求める習慣は非常に古くからあり、エフェソ公会議(431年)でマリアを「神の母」と宣言して以来、マリア対する崇敬はいっそう広まりました(『教会憲章』第66条参照)。

マリアを神の母として祝う祝日は、ローマ教会では7世紀ごろに典礼暦に取り入れられました。
その後、何回かの名称の変更を経て、1969年の典礼暦の改定によって初期の伝統に戻り、1月1日に現在の名称で祝われるようになりました。
主の降誕の8日目にあたるこの日の典礼をとおして、キリストの誕生の秘義においてマリアが果たした役割を思い起こす日となっています。
(カトリック中央協議会刊『毎日のミサ』2009年1月号 より部分)

 

2017年1月 神戸地区中ブロック(たかとり・鈴蘭台・兵庫教会)の講座の予定

~~~神戸地区中ブロック~~~

(鈴蘭台教会・たかとり教会・兵庫教会)

2017 1月の講座の予定

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2017年1月 2017年1月 神戸地区中ブロック(たかとり・鈴蘭台・兵庫教会)のミサの予定

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2017 1月のミサの予定

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2016年12月23日 (金)

2016年12月25日の「聖書と典礼」

1225日 主の降誕 (日中のミサ) (A年)

言(ことば)は肉となって、私たちの間に宿られた。

わたしたちはその栄光を見た。

(ヨハネによる福音書114節より)

 

 〔紀元前6世紀、イスラエルの民がバビロンで捕囚になっていた時代の預言。王も民も失い、廃墟のようになっていたエルサレムの町に救いが告げられる。〕

第一朗読           イザヤ書

地の果てまで、すべての人がわたしたちの神の救いを仰ぐ。

(52章710節)

イザヤの預言

7いかに美しいことか
山々を行き巡り、良い知らせを伝える者の足は。
彼は平和を告げ、恵みの良い知らせを伝え
救いを告げ
あなたの神は王となられた、と
シオンに向かって呼ばわる。

8その声に、あなたの見張りは声をあげ
皆共に、喜び歌う。
彼らは目の当たりに見る
主がシオンに帰られるのを。

9歓声をあげ、共に喜び歌え、エルサレムの廃虚よ。
主はその民を慰め、エルサレムを贖われた。

10主は聖なる御腕の力を
国々の民の目にあらわにされた。
地の果てまで、すべての人が
わたしたちの神の救いを仰ぐ。

(註) 7……よい知らせ(福音)を伝えるために走っていく伝令のイメージである。この伝令は預言者自身であろう。

(註) 8見張り……エルサレムの城壁の上に立って、周囲を警戒し町を守っている人。この人が真っ先に良い知らせを聞き、民に伝える。

(註) 9贖われた……「贖う」はもともとは、「売られた者や人を買い戻すこと。代価を払って奴隷を自由の身にすること」を意味した。

 

 〔試練の中にある信者に、信仰に踏みとどまるように励ますヘブライ書は、冒頭でイエスと、イエスによって実現したことの素晴らしさを語る。〕

第二朗読       ヘブライ人への手紙

神は、御子によってわたしたちに語られた。

(1章16節)

ヘブライ人への手紙

1神は、かつて預言者たちによって、多くのかたちで、また多くのしかたで先祖に語られたが、2この終わりの時代には、御子によってわたしたちに語られました。神は、この御子を万物の相続者と定め、また、御子によって世界を創造されました。3御子は、神の栄光の反映であり、神の本質の完全な現れであって、万物を御自分の力ある言葉によって支えておられますが、人々の罪を清められた後、天の高い所におられる大いなる方の右の座にお着きになりました。4御子は、天使たちより優れた者となられました。天使たちの名より優れた名を受け継がれたからです。
5いったい神は、かつて天使のだれに、
 「あなたはわたしの子、
 わたしは今日、あなたを産んだ」
と言われ、更にまた、
 「わたしは彼の父となり、
 彼はわたしの子となる」
と言われたでしょうか。
6〔むしろ、〕神はその長子をこの世界に送るとき、
 「神の天使たちは皆、彼を礼拝せよ」
と言われました。

(註) 2終わりの時代……神が人類の歴史に介入する時のこと。この時代はイエスによって始まった。

(註) 5あなたはわたしの子~……詩編27節の引用。

(註) わたしは彼の~……サムエル記(下)714節の引用。そこでは、「彼」はダビデの子ソロモンを指しているが、ヘブライ書はダビデの子孫であるキリストに当てはめる。

(註) 6神の天使たちは~……旧約聖書ギリシア語訳からの引用(申命記3243節、詩編977節)。

 

 〔ヨハネ福音書の序文で、イエス・キリストが世に来られたことの深い意味を語る。〕

福音朗読        ヨハネによる福音書

* 言(ことば)は肉となって、わたしたちの間に宿られた。

* (1章118節、 または 1章15節、914節)

ヨハネによる福音

1初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった。

2この言は、初めに神と共にあった。3万物は言によって成った。成ったもので、言によらずに成ったものは何一つなかった。4言の内に命があった。命は人間を照らす光であった。5光は暗闇の中で輝いている。暗闇は光を理解しなかった。
 神から遣わされた一人の人がいた。その名はヨハネである。彼は証しをするために来た。光について証しをするため、また、すべての人が彼によって信じるようになるためである。彼は光ではなく、光について証しをするために来た。
9その光は、まことの光で、世に来てすべての人を照らすのである。10言は世にあった。世は言によって成ったが、世は言を認めなかった。11言は、自分の民のところへ来たが、民は受け入れなかった。12しかし、言は、自分を受け入れた人、その名を信じる人々には神の子となる資格を与えた。13この人々は、血によってではなく、肉の欲によってではなく、人の欲によってでもなく、神によって生まれたのである。
 
14言は肉となって、わたしたちの間に宿られた。わたしたちはその栄光を見た。それは父の独り子としての栄光であって、恵みと真理とに満ちていた。
ヨハネは、この方について証しをし、声を張り上げて言った。「『わたしの後から来られる方は、わたしより優れている。わたしよりも先におられたからである』とわたしが言ったのは、この方のことである。」わたしたちは皆、この方の満ちあふれる豊かさの中から、恵みの上に、更に恵みを受けた。律法はモーセを通して与えられたが、恵みと真理はイエス・キリストを通して現れたからである。いまだかつて、神を見た者はいない。父のふところにいる独り子である神、この方が神を示されたのである。

(註) 1初めに……創世記11節参照。

(註)  言(ことば)…… 創世記13節の神のことばや、知恵の書919節などに見られる「神の知恵 (ソフィア) 」を思わせる。

(註) 5暗闇は光を理解しなかった……「闇は光に打ち勝たなかった」とも訳せる。

(註)14……弱く滅びゆくものとしての人間を指す。

(註) 宿られた……原語の意味は「天幕を張る」。神の幕屋(神殿)のイメージで、神が民の中に住むことを表す。

 

(オリエンス宗教研究所発行「聖書と典礼」20161225 より)

2016年12月22日 (木)

2016年12月24日の「聖書と典礼」

1225日 主の降誕 (夜半のミサ) (A年)

今日、あなたがたのために救い主がお生まれになった。

(福音朗読主題句 ルカによる福音書211節より)

 

 〔紀元前8世紀、ガリラヤ地方はアッシリア帝国の属州となった。エルサレムから遠く離れ、同胞から切り離されてしまったガリラヤの人々は暗黒の中にいた。預言者はこの民に救いを告げ知らせる。〕

第一朗読         イザヤの預言

ひとりの男の子がわたしたちに与えられた。

(9章13節、56節)

イザヤの預言

1闇の中を歩む民は、大いなる光を見

死の陰の地に住む者の上に、光が輝いた。

2あなたは深い喜びと
大きな楽しみをお与えになり
人々は御前に喜び祝った。
刈り入れの時を祝うように
戦利品を分け合って楽しむように。

3彼らの負う軛、肩を打つ杖、虐げる者の鞭を
あなたはミディアンの日のように
折ってくださった。

5ひとりのみどりごがわたしたちのために生まれた。
ひとりの男の子がわたしたちに与えられた。
権威が彼の肩にある。
その名は、「驚くべき指導者、力ある神
永遠の父、平和の君」と唱えられる。

6ダビデの王座とその王国に権威は増し
平和は絶えることがない。
王国は正義と恵みの業によって
今もそしてとこしえに、立てられ支えられる。
万軍の主の熱意がこれを成し遂げる。

(註) 3ミディアンの日……ミディアン人はラクダ遊牧民として知られる。士師ギデオンは侵入してきたミディアン人を打ち破り、イスラエルを救ったが、この勝利は人間の力によるのではなく、まったく神の力によるものとされた。(士師記68章)

(註) 5ひとりのみどりごが~……メシア王の即位を歌う詩編27bを思わせる。

(註) その名は~……「名」は単なる呼称ではなく、そのものの本質を表す。ここにあげられているさまざまな名は、その子どもが神的な王であることを表している。

(註) 6万軍の主の熱意……「万軍」は神の威厳と力を表すことば。「熱意」は、民に対する神の熱く激しい思いを表すために用いられる語。

 

 〔パウロはテトスを「信仰を共にするまことの子」(14節)と呼ぶ。そのテトスに、語るべき教えの中心を述べる。〕

第二朗読         テトスへの手紙

すべての人々に神の恵みが現れた。

(2章1114節)

使徒パウロのテトスへの手紙

11〔愛する者よ、〕すべての人々に救いをもたらす神の恵みが現れました。12その恵みは、わたしたちが不信心と現世的な欲望を捨てて、この世で、思慮深く、正しく、信心深く生活するように教え、13また、祝福に満ちた希望、すなわち偉大なる神であり、わたしたちの救い主であるイエス・キリストの栄光の現れを待ち望むように教えています。14キリストがわたしたちのために御自身を献げられたのは、わたしたちをあらゆる不法から贖い出し、良い行いに熱心な民を御自分のものとして清めるためだったのです。

 

 〔ローマ帝国が地中海一帯を支配していた時代、その世界の片隅で起こった救い主イエスの誕生の様子が伝えられている。〕

福音朗読         ルカによる福音

今日、あなたがたのために救い主がお生まれになった。

(2章114節)

ルカによる福音

* 1そのころ、皇帝アウグストゥスから全領土の住民に、登録をせよとの勅令が出た。2これは、キリニウスがシリア州の総督であったときに行われた最初の住民登録である。3人々は皆、登録するためにおのおの自分の町へ旅立った。4ヨセフもダビデの家に属し、その血筋であったので、ガリラヤの町ナザレから、ユダヤのベツレヘムというダビデの町へ上って行った。5身ごもっていた、いいなずけのマリアと一緒に登録するためである。

6ところが、彼らがベツレヘムにいるうちに、マリアは月が満ちて、7初めての子を産み、布にくるんで飼い葉桶に寝かせた。宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである。
 8その地方で羊飼いたちが野宿をしながら、夜通し羊の群れの番をしていた。9すると、主の天使が近づき、主の栄光が周りを照らしたので、彼らは非常に恐れた。10天使は言った。「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。11今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。

12あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。」13すると、突然、この天使に天の大軍が加わり、神を賛美して言った。
 14「いと高きところには栄光、神にあれ、
  地には平和、御心に適う人にあれ。」

(註) 1アウグストゥス……ローマ帝国の初代皇帝。在位紀元前27~後14年。

(註) 2最初の住民登録……紀元前86年のことと考えられる。これは人頭税を徴収するための人口調査であった。

(註) 4ダビデの家……ダビデは紀元前1000年頃のイスラエルの王。来たるべき救い主はこのダビデの家系から出ると期待されていた。

(註) ベツレヘム……「パンの家」の意味。ダビデ王の故郷として知られ、預言者ミカによってダビデ王再来の地とされた(ミカ書51節参照)。

(註) 9主の栄光……神がそこにおられることを表す表現。

(註)11メシア……本来は「油そそがれた者」の意味。ギリシア語では「クリストス(キリスト)」。「救い主」を意味し、ユダヤ人の間では、ダビデ王の再来である理想的な王と考えられていた。

 

(オリエンス宗教研究所発行「聖書と典礼」20161225夜半のミサより)

2016年12月16日 (金)

2016年12月18日の「聖書と典礼」

1218() 待降節第4主日 (A年)

マリアは男の子を生む。その子をイエスと名付けなさい。

(マタイによる福音書121節より)

 

 〔アラムと北イスラエルが同盟して、南のユダ王国に攻撃をしかけたときのこと。動揺したアハズ王に対して主への信頼が求められる。〕

第一朗読         イザヤの預言

見よ、おとめが身ごもって、男の子を産む。

(7章1014節)

イザヤの預言

 10〔その日、〕主は更にアハズに向かって言われた。11「主なるあなたの神に、しるしを求めよ。深く陰府の方に、あるいは高く天の方に。」
12しかし、アハズは言った。
 「わたしは求めない。
 主を試すようなことはしない。」
13イザヤは言った。
 「ダビデの家よ聞け。
 あなたたちは人間に
 もどかしい思いをさせるだけでは足りず
 わたしの神にも、もどかしい思いをさせるのか。
 
14それゆえ、わたしの主が御自ら
 あなたたちにしるしを与えられる。
 見よ、おとめが身ごもって、男の子を産み
 その名をインマヌエルと呼ぶ。」
 

(註)10アハズ……前8世紀後半のユダ王国の王。アッシリア帝国に従属する道を選んだ。

(註)12求めない……ここでは、神の助けを信じないで人間的な判断だけで、行動しようという態度の表れである。

(註)14見よ、おとめが~……きょうの福音で、イエスの誕生を預言するものとされていることば(23節)。

(註) インマヌエル……「神はわれわれと共におられる」という意味。

 

 〔パウロが、これから訪れようとするローマのキリスト者にあてて書いた手紙のあいさつの部分。この中でパウロはキリストの本質を語る。

第二朗読      ローマの信徒への手紙

イエス・キリストはダビデの子孫から生まれ、神の子と定められた。

(1章17節)

使徒パウロのローマの教会への手紙

 1キリスト・イエスの僕、神の福音のために選び出され、召されて使徒となったパウロから、〔兄弟の皆さんへ。〕――2この福音は、神が既に聖書の中で預言者を通して約束されたもので、3御子に関するものです。御子は、肉によればダビデの子孫から生まれ、4聖なる霊によれば、死者の中からの復活によって力ある神の子と定められたのです。この方が、わたしたちの主イエス・キリストです。5わたしたちはこの方により、その御名を広めてすべての異邦人を信仰による従順へと導くために、恵みを受けて使徒とされました。6この異邦人の中に、イエス・キリストのものとなるように召されたあなたがたもいるのです。――7神に愛され、召されて聖なる者となったローマの人たち一同へ。わたしたちの父である神と主イエス・キリストからの恵みと平和が、あなたがたにあるように。

(註) 3肉によれば……次節の「聖なる霊によれば」と対比されている。ここでは「弱く滅びゆく人間としては」という意味。

(註) ダビデの子孫……マタイによる福音11節、ルカによる福音127節参照。

(註) 7聖なる者……洗礼によってキリスト者が神のものとなったことを表す表現。

 

 〔イエスの誕生は、ルカ福音書ではマリアに対して告げられるが、マタイ福音書ではヨセフへのお告げが伝えられていて、イエスがダビデの子孫として生まれたことの次第を明らかにする。〕

福音朗読        マタイによる福音書

イエスは、ダビデの子ヨセフのいいなずけであるマリアから生まれる。

(1章1824節)

マタイによる福音

18イエス・キリストの誕生の次第は次のようであった。母マリアはヨセフと婚約していたが、二人が一緒になる前に、聖霊によって身ごもっていることが明らかになった。19夫ヨセフは正しい人であったので、マリアのことを表ざたにするのを望まず、ひそかに縁を切ろうと決心した。20このように考えていると、主の天使が夢に現れて言った。「ダビデの子ヨセフ、恐れず妻マリアを迎え入れなさい。マリアの胎の子は聖霊によって宿ったのである。21マリアは男の子を産む。その子をイエスと名付けなさい。この子は自分の民を罪から救うからである。」22このすべてのことが起こったのは、主が預言者を通して言われていたことが実現するためであった。
 
23「見よ、おとめが身ごもって男の子を産む。
  その名はインマヌエルと呼ばれる。」
この名は、「神は我々と共におられる」という意味である。
24ヨセフは眠りから覚めると、主の天使が命じたとおり、妻を迎え入れ〔た。〕

(註)19正しい人であったので~……ヨセフがマリアを信じていたとすれば、この受胎に神の力の介入を感じ、畏れて身を引いたと言えるであろう。

(註)21イエス……ヘブライ語では「ヨシュア」。「主は救う」という意味がある。

(註)23見よ、おとめが~……イザヤ書714節引用(第1朗読参照)。

 

(オリエンス宗教研究所発行「聖書と典礼」20161218 より)

2016年12月 9日 (金)

2016年12月11日の「聖書と典礼」

1211() 待降節第3主日 (A年)

来るべき方は、あなたでしょうか。

(マタイによる福音書113節より)

 

 〔イザヤは紀元前8世紀に活躍した預言者。ここでは罪のために罰せられた民の繁栄の回復が預言される。〕

第一朗読           イザヤ書

神は来て、あなたたちを救われる。

(35章16節a、10節)

イザヤの預言

1荒れ野よ、荒れ地よ、喜び躍れ
砂漠よ、喜び、花を咲かせよ
野ばらの花を一面に咲かせよ。

2花を咲かせ
大いに喜んで、声をあげよ。
砂漠はレバノンの栄光を与えられ
カルメルとシャロンの輝きに飾られる。
人々は主の栄光と我らの神の輝きを見る。

                             

3弱った手に力を込め
よろめく膝を強くせよ。

4心おののく人々に言え。
「雄々しくあれ、恐れるな。
見よ、あなたたちの神を。
敵を打ち、悪に報いる神が来られる。
神は来て、あなたたちを救われる。」

 

5そのとき、見えない人の目が開き
聞こえない人の耳が開く。

6aそのとき
歩けなかった人が鹿のように躍り上がる。
口の利けなかった人が喜び歌う。

10主に贖われた人々は帰って来る。
とこしえの喜びを先頭に立てて
喜び歌いつつシオンに帰り着く。
喜びと楽しみが彼らを迎え
嘆きと悲しみは逃げ去る。

(註) 1荒れ野 荒れ地……ユダヤ地方は元々荒れ野が多いが、ここでは町も廃墟となった様子を表している。その中で「花」は生命と繁栄のシンボルである。

(註) 喜びおどれ……待降節第3主日は伝統的に「喜びの主日」と呼ばれる。主の降誕が近い、神の救いがすぐそこまで近づいている、という喜びの雰囲気をこの第1朗読は強く感じさせる。

(註) 2レバノン カルメル シャロン……いずれもユダヤより北に位置する緑豊かな土地の名である。

(註)5-6aそのとき、見えない人の~……イエスのなさったいやしの業は、このことの実現と考えられている(今日の福音参照)。

(註)10シオン……神殿のあるエルサレムの丘。それまで民は国を追われていたのである。

 

 〔ヤコブの手紙には、初代教会における信仰生活についての豊富な勧告が集められている。ここでは、主が再びこられる時を待つ心構えが語られている。〕

第二朗読         ヤコブの手紙

心を固く保ちなさい。主が来られる時が迫っているからである。

(5章710節)

使徒ヤコブの手紙

7兄弟たち、主が来られるときまで忍耐しなさい。農夫は、秋の雨と春の雨が降るまで忍耐しながら、大地の尊い実りを待つのです。8あなたがたも忍耐しなさい。心を固く保ちなさい。主が来られる時が迫っているからです。9兄弟たち、裁きを受けないようにするためには、互いに不平を言わぬことです。裁く方が戸口に立っておられます。10兄弟たち、主の名によって語った預言者たちを、辛抱と忍耐の模範としなさい。

(註) 7秋の雨と春の雨……パレスチナの雨期は冬であり、秋の雨は土地を潤し、春の雨は収穫の前にあたる。どちらも欠くことのできないもの。

 

 〔イエスが宣教活動を始める前に、洗礼者ヨハネはガリラヤの領主ヘロデに捕らえられた(マタイによる福音412節参照)。〕

福音朗読       マタイによる福音書

来たるべき方は、あなたでしょうか。

それとも、ほかの方を待たなければなりませんか。

(11章211節)

マタイによる福音

2〔そのとき、〕ヨハネは牢の中で、キリストのなさったことを聞いた。そこで、自分の弟子たちを送って、3尋ねさせた。「来るべき方は、あなたでしょうか。それとも、ほかの方を待たなければなりませんか。」4イエスはお答えになった。「行って、見聞きしていることをヨハネに伝えなさい。5目の見えない人は見え、足の不自由な人は歩き、重い皮膚病を患っている人は清くなり、耳の聞こえない人は聞こえ、死者は生き返り、貧しい人は福音を告げ知らされている。6わたしにつまずかない人は幸いである。」7ヨハネの弟子たちが帰ると、イエスは群衆にヨハネについて話し始められた。「あなたがたは、何を見に荒れ野へ行ったのか。風にそよぐ葦か。8では、何を見に行ったのか。しなやかな服を着た人か。しなやかな服を着た人なら王宮にいる。9では、何を見に行ったのか。預言者か。そうだ。言っておく。預言者以上の者である。
 
10『見よ、わたしはあなたより先に使者を遣わし、
  あなたの前に道を準備させよう』
と書いてあるのは、この人のことだ。
11はっきり言っておく。およそ女から生まれた者のうち、洗礼者ヨハネより偉大な者は現れなかった。しかし、天の国で最も小さな者でも、彼よりは偉大である。

(註) 3来たるべき方……神が遣わすメシア(救い主)のこと。

(註) 5目の見えない人は~……神の救いの日が到来しているしるしである。イザヤ書3556節(今日の第1朗読)参照。なお、「貧しい人は福音を~」はイザヤ書611節参照。

(註)10見よ、わたしは~……出エジプト記2320節、マラキ書31(マルコによる福音12)参照。マラキ書323節によれば、この使者は「エリヤ」である。

(註)11天の国でも最も小さい者でも~……イエスとともに神の国が始まっており、この新しい時代から見ればヨハネはあくまでもそれ以前の約束の時代の人に過ぎないということ。

 

(オリエンス宗教研究所発行「聖書と典礼」20161211 より)

2016年12月 6日 (火)

2016年12月 4日の「聖書と典礼」

12 4() 待降節第2主日 (A年)

エッサイの株からひとつの芽が萌えいで……

(イザヤ書111節より)

 

 〔紀元前八世紀、諸外国からの圧迫の中で混乱するユダ王国に活動した預言者イザヤは、神に忠実である理想的な王の到来を預言する。〕

第一朗読           イザヤ書

彼は弱い人のために正当な裁きを行う。

(11章110節)

イザヤの預言

1〔その日〕
エッサイの株からひとつの芽が萌えいで
その根からひとつの若枝が育ち
2その上に主の霊がとどまる。
知恵と識別の霊
思慮と勇気の霊
主を知り、畏れ敬う霊。
3彼は主を畏れ敬う霊に満たされる。
目に見えるところによって裁きを行わず
耳にするところによって弁護することはない。
4弱い人のために正当な裁きを行い
この地の貧しい人を公平に弁護する。
その口の鞭をもって地を打ち
唇の勢いをもって逆らう者を死に至らせる。
5正義をその腰の帯とし
真実をその身に帯びる。

                             

6狼は小羊と共に宿り
豹は子山羊と共に伏す。
子牛は若獅子と共に育ち
小さい子供がそれらを導く。
7牛も熊も共に草をはみ
その子らは共に伏し
獅子も牛もひとしく干し草を食らう。
8乳飲み子は毒蛇の穴に戯れ
幼子は蝮の巣に手を入れる。
9わたしの聖なる山においては
何ものも害を加えず、滅ぼすこともない。
水が海を覆っているように
大地は主を知る知識で満たされる。
10その日が来れば
エッサイの根は
すべての民の旗印として立てられ
国々はそれを求めて集う。
そのとどまるところは栄光に輝く。

(註) 1エッサイ……ダビデ王の父の名。イザヤはここで、切り倒されて切り株だけが残ったような状態のダビデ家から現れる理想的な王について預言している。

(註)68狼は子羊と共に~……これらの描写は、強い者が弱い者を虐げることがなくなる完全な平和の状態を表している。

(註)10その日……神の救いがこの世界に実現する日、神がご自分の力と救いを現されるときのこと。

(註) エッサイの根……ダビデ王朝のこと。

 

 〔「強い者は、強くない者の弱さを担うべきである」(151節)と述べたパウロは、その模範としてのキリストの姿と旧約聖書の証言(153節)を記して、強い者と弱い者、ユダヤ人と異邦人が互いに受け入れ合うことを強く勧める。〕

第二朗読      ローマの信徒への手紙

キリストはすべての人を救われる。

(15章49節)

使徒パウロのローマの教会への手紙

4〔皆さん、〕かつて書かれた事柄は、すべてわたしたちを教え導くためのものです。それでわたしたちは、聖書から忍耐と慰めを学んで希望を持ち続けることができるのです。5忍耐と慰めの源である神が、あなたがたに、キリスト・イエスに倣って互いに同じ思いを抱かせ、6心を合わせ声をそろえて、わたしたちの主イエス・キリストの神であり、父である方をたたえさせてくださいますように。
7だから、神の栄光のためにキリストがあなたがたを受け入れてくださったように、あなたがたも互いに相手を受け入れなさい。8わたしは言う。キリストは神の真実を現すために、割礼ある者たちに仕える者となられたのです。それは、先祖たちに対する約束を確証されるためであり、9異邦人が神をその憐れみのゆえにたたえるようになるためです。
 「そのため、わたしは異邦人の中であなたをたたえ、
 あなたの名をほめ歌おう」
と書いてあるとおりです。

(註) 8神の真実……旧約の約束を成就する神の誠実さを表すことばである。

(註) 割礼ある者……ユダヤ人のこと。

(註) 9そのため、わたしは~……詩編1850節の引用(サムエル記下2250節参照)。

 

 〔毎年待降節第2、第3主日の福音には、洗礼者ヨハネが登場する。ヨハネは先駆者として、来たるべき方について語る。〕

福音朗読        マタイによる福音書

悔い改めよ。天の国は近づいた。

(3章112節)

マタイによる福音

1そのころ、洗礼者ヨハネが現れて、ユダヤの荒れ野で宣べ伝え、2「悔い改めよ。天の国は近づいた」と言った。3これは預言者イザヤによってこう言われている人である。
 「荒れ野で叫ぶ者の声がする。
 『主の道を整え、
 その道筋をまっすぐにせよ。』」
 4ヨハネは、らくだの毛衣を着、腰に革の帯を締め、いなごと野蜜を食べ物としていた。5そこで、エルサレムとユダヤ全土から、また、ヨルダン川沿いの地方一帯から、人々がヨハネのもとに来て、6罪を告白し、ヨルダン川で彼から洗礼を受けた。
 7ヨハネは、ファリサイ派やサドカイ派の人々が大勢、洗礼を受けに来たのを見て、こう言った。「蝮の子らよ、差し迫った神の怒りを免れると、だれが教えたのか。8悔い改めにふさわしい実を結べ。9『我々の父はアブラハムだ』などと思ってもみるな。言っておくが、神はこんな石からでも、アブラハムの子たちを造り出すことがおできになる。10斧は既に木の根元に置かれている。良い実を結ばない木はみな、切り倒されて火に投げ込まれる。11わたしは、悔い改めに導くために、あなたたちに水で洗礼を授けているが、わたしの後から来る方は、わたしよりも優れておられる。わたしは、その履物をお脱がせする値打ちもない。その方は、聖霊と火であなたたちに洗礼をお授けになる。12そして、手に箕を持って、脱穀場を隅々まできれいにし、麦を集めて倉に入れ、殻を消えることのない火で焼き払われる。」

(註) 3荒れ野で叫ぶ~……イザヤ書403節参照。

(註) 4毛衣 革の帯……これは預言者エリアを思わせる服装(列王記下18節参照)。

(註) 6洗礼……元の意味は「沈める、浸す」。ヨハネは回心のしるしとして人々をヨルダン川に浸した。

(註) 7蝮の子ら……神に敵対するものを表す、激しい表現(マタイによる福音1234節、2333節参照)。

(註) 9我々の父はアブラハム……これがユダヤ人の誇りであったが、ヨハネにとってそんなことは何の役にも立たず、今、回心するかどうかだけが問題である。

(註)11履物をお脱がせする……これは奴隷が主人のためにする仕事であった。

(註) 聖霊と火で……「霊」はもともと「風」を意味した。次節の「箕」はもみ殻と実を分けるための農具。もみ殻は「風」に飛ばされ、「火」で焼かれてしまう。ヨハネは来たるべき方をこのような裁き手のイメージで語った。

 

(オリエンス宗教研究所発行「聖書と典礼」201612 4 より)

2016年12月 2日 (金)

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