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2017年3月10日 (金)

2017年 3月12日の「聖書と典礼」

2017年 3月12日の「聖書と典礼」

四旬節第2主日 (A年)

これはわたしの愛する子、わたしの心に適う者。これに聞け。

(マタイ福音書175節より)

 

  〔四旬節主日のミサの第1朗読は旧約の救いの歴史を回顧していくが、第二主日には毎年、アブラハムの出来事が読まれる。今年の箇所はアブラハムの選びを述べる。この時、アブラハムは七十五歳であった。〕

第一朗読            創世記

神の民の先祖アブラハムの召命。

(12章14節a)

創世記

1〔その日、〕
主はアブラムに言われた。
「あなたは生まれ故郷
父の家を離れて
わたしが示す地に行きなさい。

2わたしはあなたを大いなる国民にし
あなたを祝福し、あなたの名を高める
祝福の源となるように。

3あなたを祝福する人をわたしは祝福し
あなたを呪う者をわたしは呪う。
地上の氏族はすべて
あなたによって祝福に入る。」

4aアブラムは、主の言葉に従って旅立った。

(註) 1アブラム……後に神によって「アブラハム(多くの国民の父)」と呼ばれるようになる(創世記175節参照)。

(註) 生まれ故郷……アブラムはカルデアのウル(ユーフラテス川の下流)で生まれ、父テラに連れられてハラン(ユーフラテス川を八百キロほど遡ったところ)に来て、そこに住んでいた(創世記1131節参照)。

(註) わたしが示す地……カナンの地のこと。ハランから南西に数百キロの距離。

(註) 3地上の氏族はすべて~……アブラハムとその子孫を選んだ神の救いの計画の目的はすべての人に祝福をもたらすことである。

(註) 4主の言葉に従って……アブラハムの信仰をよく表していることば。福音朗読の「これに聞け」(5節)につながっていく。

 

 〔この手紙がどの時期に書かれたかははっきりしない。手紙の内容からするとパウロが「主の囚人」として獄中におり(18a29節)、間近に迫る死を覚悟しながら(468節参照)愛する弟子に書き送ったことばということになる。〕

第二朗読 (ニ)テモテへの手紙

神はわたしたちを招き、照らしてくださる。

(1章8b10節)

使徒パウロのテモテへの手紙

8b〔愛する者よ、〕神の力に支えられて、福音のためにわたしと共に苦しみを忍んでください。9神がわたしたちを救い、聖なる招きによって呼び出してくださったのは、わたしたちの行いによるのではなく、御自身の計画と恵みによるのです。この恵みは、永遠の昔にキリスト・イエスにおいてわたしたちのために与えられ、10今や、わたしたちの救い主キリスト・イエスの出現によって明らかにされたものです。キリストは死を滅ぼし、福音を通して不滅の命を現してくださいました。

(註) 8苦しみ……パウロはこの時、ローマで獄中にいた。

(註) 9聖なる招き……ここではキリスト者としての招きのことを言っている。教会(エクレーシア)とは、この招き(クレーシス)を受けた人々の集まりである。なお、この「招き」というテーマは、第一朗読のアブラムの召し出しや、福音の中での弟子たちの招きとつながっている。

 

 〔最初の受難予告があってから六日目の出来事。四旬節第二主日にはいつもこの変容の出来事が読まれる。この出来事は、十字架を通って栄光に至るイエスの道に弟子たちを招くものであった。〕

福音朗読        マタイによる福音書

イエスの顔は太陽のように輝いた。

(17章19節)

マタイによる福音

1〔そのとき、〕イエスは、ペトロ、それにヤコブとその兄弟ヨハネだけを連れて、高い山に登られた。2イエスの姿が彼らの目の前で変わり、顔は太陽のように輝き、服は光のように白くなった。3見ると、モーセとエリヤが現れ、イエスと語り合っていた。

4ペトロが口をはさんでイエスに言った。「主よ、わたしたちがここにいるのは、すばらしいことです。お望みでしたら、わたしがここに仮小屋を三つ建てましょう。一つはあなたのため、一つはモーセのため、もう一つはエリヤのためです。」5ペトロがこう話しているうちに、光り輝く雲が彼らを覆った。すると、「これはわたしの愛する子、わたしの心に適う者。これに聞け」という声が雲の中から聞こえた。6弟子たちはこれを聞いてひれ伏し、非常に恐れた。7イエスは近づき、彼らに手を触れて言われた。「起きなさい。恐れることはない。」8彼らが顔を上げて見ると、イエスのほかにはだれもいなかった。
9一同が山を下りるとき、イエスは、「人の子が死者の中から復活するまで、今見たことをだれにも話してはならない」と弟子たちに命じられた。

(註) 3モーセとエリヤ……モーセは律法を、エリヤは預言者を代表する人物。「律法と預言者」で、旧約聖書全体を現した。

(註) 4仮小屋……幕屋を意味することば。ペトロはこの素晴らしい光景が消えてしまうことを惜しんで、彼らの住まいを建てようとした。

(註) 5……目には見えないが神がそこにおられるというしるし(出エジプト記403438節など参照)。

(註) これはわたしの愛する子~……ヨルダン川での洗礼の時も同じ声が聞こえた(マタイ福音書317節参照)。

 

(オリエンス宗教研究所発行「聖書と典礼」2017 312より)

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