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2017年6月23日 (金)

2017年 6月25日の「聖書と典礼」

2017年 6月25日の「聖書と典礼」

「年間第12主日」 A

人々の前で自分をわたしの仲間であると言い表す者は…。

(マタイ福音書1032節より)

 

 〔預言者エレミヤは、紀元前六世紀、バビロン捕囚の直前の時代に、ユダ王国の救いではなく、その滅亡を預言した。人々の期待にそわない預言をしたエレミヤは、主のことばを忠実に伝えたがゆえに迫害をうけなければならなかった。この個所は、預言者としての苦悩とその中での神への信頼を語る「エレミヤの告白」と呼ばれるものの一つ。〕

第一朗読         エレミヤの預言 

主は貧しい人の魂を、悪事を謀る者の手から助け出される。

(20章1013節)

                             

 

エレミヤの預言

 

〔エレミヤは言った。〕
10わたしには聞こえています
 
多くの人の非難が。
 
「恐怖が四方から迫る」と彼らは言う。
 
「共に彼を弾劾しよう」と。
 
わたしの味方だった者も皆
 
わたしがつまずくのを待ち構えている。
 
「彼は惑わされて
 
我々は勝つことができる。
 
彼に復讐してやろう」と。

 

11しかし主は、恐るべき勇士として
わたしと共にいます。
それゆえ、わたしを迫害する者はつまずき
勝つことを得ず、成功することなく
甚だしく辱めを受ける。
それは忘れられることのない
とこしえの恥辱である。

12万軍の主よ
正義をもって人のはらわたと心を究め
見抜かれる方よ。
わたしに見させてください
あなたが彼らに復讐されるを。
わたしの訴えをあなたに打ち明け
お任せします。

 

13主に向かって歌い、主を賛美せよ。
主は貧しい人の魂を
悪事を謀る者の手から助け出される。

 

 〔パウロは、キリストの救いの絶大な力を、最初の人間アダムとの対比によって示そうとする。アダムとキリストは、罪と義という点では正反対だが、その結果がすべての人に及んだという点で共通ものがあるとパウロは考える。〕

 

第二朗読        ローマの信徒への手紙

恵みの賜物は罪とは比較にならない。

(5章1215節)

 

 

使徒パウロのローマの教会への手紙

 

12〔皆さん、〕一人の人によって罪が世に入り、罪によって死が入り込んだように、死はすべての人に及んだのです。すべての人が罪を犯したからです。13律法が与えられる前にも罪は世にあったが、律法がなければ、罪は罪と認められないわけです。14しかし、アダムからモーセまでの間にも、アダムの違犯と同じような罪を犯さなかった人の上にさえ、死は支配しました。実にアダムは、来るべき方を前もって表す者だったのです。
15しかし、恵みの賜物は罪とは比較になりません。一人の罪によって多くの人が死ぬことになったとすれば、なおさら、神の恵みと一人の人イエス・キリストの恵みの賜物とは、多くの人に豊かに注がれるのです。

(註)12一人の人……アダムのこと。アダムの罪については創世記3章参照。この罪の結果、神はアダムに向かって、「塵にすぎないお前は塵に返る」(319)と言われた。

 

 〔十二人の弟子(使徒)を選んで派遣するにあたってのイエスの説教で、弟子たちが遭遇することになる迫害を予告した後のことば。ルカ福音書1229節と文脈は異なるが、内容はよく似ている。〕

 

福音朗読        マタイによる福音書

体を殺す者どもを恐れるな。

(10章2633節)

 

 

マタイによる福音

 

 〔そのとき、イエスは使徒たちに言われた。〕26「人々を恐れてはならない。覆われているもので現されないものはなく、隠されているもので知られずに済むものはないからである。27わたしが暗闇であなたがたに言うことを、明るみで言いなさい。耳打ちされたことを、屋根の上で言い広めなさい。28体は殺しても、魂を殺すことのできない者どもを恐れるな。むしろ、魂も体も地獄で滅ぼすことのできる方を恐れなさい。29二羽の雀が一アサリオンで売られているではないか。だが、その一羽さえ、あなたがたの父のお許しがなければ、地に落ちることはない。30あなたがたの髪の毛までも一本残らず数えられている。31だから、恐れるな。あなたがたは、たくさんの雀よりもはるかにまさっている。
32だから、だれでも人々の前で自分をわたしの仲間であると言い表す者は、わたしも天の父の前で、その人をわたしの仲間であると言い表す。33しかし、人々の前でわたしを知らないと言う者は、わたしも天の父の前で、その人を知らないと言う。」

(註)29アサリオン……1デナリオン(1日の日当)16分の1。雀は価値が低く、一羽では売り物にならない。

 

(オリエンス宗教研究所発行「聖書と典礼」2017 625より)

2017年6月17日 (土)

2017年 6月18日の「聖書と典礼」

2017年 6月18日の「聖書と典礼」

「キリストの聖体」

パンは一つだから、わたしたちは大勢でも一つの体です。

(一コリントの信徒への手紙1017節より)

 

 〔荒れ野の旅の終わりに、約束の地を目の前にして、モーセはイスラエルの民にこれまでの辛い旅を思い起こさせ、その意味を語る。〕

第一朗読           申命記

主は、あなたも先祖も味わったことのないマナを食べさせられた。

(8章23節、14節b16節a)

申命記

 〔モーセは言った。〕2あなたの神、主が導かれたこの四十年の荒れ野の旅を思い起こしなさい。こうして主はあなたを苦しめて試し、あなたの心にあること、すなわち御自分の戒めを守るかどうかを知ろうとされた。3主はあなたを苦しめ、飢えさせ、あなたも先祖も味わったことのないマナを食べさせられた。人はパンだけで生きるのではなく、人は主の口から出るすべての言葉によって生きることをあなたに知らせるためであった。
14b主はあなたをエジプトの国、奴隷の家から導き出し、15炎の蛇とさそりのいる、水のない乾いた、広くて恐ろしい荒れ野を行かせ、硬い岩から水を湧き出させ、16aあなたの先祖が味わったことのないマナを荒れ野で食べさせてくださった。

(註) 3マナ……荒れ野の旅の間に神から与えられた食べ物(出エジプト記16章参照)。天から降ったパンとも言われている(同164節)。

(註) 人はパンだけで~……マタイ福音書44節、ルカ福音書44節でイエスが引用したことば。

(註)15岩から水を……出エジプト記1717節参照。

 

 〔コリントの教会では、キリスト者が異教の神殿で行われる犠牲祭儀にかかわるという問題があった。パウロは、これをとがめ、キリスト者がパンを裂くことの意味を問い直す。〕

第二朗読      一コリントの信徒への手紙

パンは一つだから、わたしたちは大勢でも一つの体である。

(10章1617節)

使徒パウロのコリントの教会への手紙

16〔皆さん、〕わたしたちが神を賛美する賛美の杯は、キリストの血にあずかることではないか。わたしたちが裂くパンは、キリストの体にあずかることではないか。パンは一つだから、わたしたちは大勢でも一つの体です。皆が一つのパンを分けて食べるからです。

(註)16あずかる……原語の「コイノニア」は「交わり、一致」を意味する。

 

 〔ヨハネ福音書6章は、イエスが五つのパンを大群衆に分け与えた話に始まり、パンをめぐる対話が続く。初めは「わたしが命のパンである」(イエスこそが真の命を与える方である)と語られているが、ここでは次第に「わたしが与えるパン」(すなわち聖体)のことに話が進んでいく。〕

福音朗読      ヨハネによる福音書

わたしの肉はまことの食べ物、わたしの血はまことの飲み物である。

(6章5158節)

ヨハネによる福音

 〔そのとき、イエスはユダヤ人たちに言われた。〕51「わたしは、天から降って来た生きたパンである。このパンを食べるならば、その人は永遠に生きる。わたしが与えるパンとは、世を生かすためのわたしの肉のことである。」
52それで、ユダヤ人たちは、「どうしてこの人は自分の肉を我々に食べさせることができるのか」と、互いに激しく議論し始めた。53イエスは言われた。「はっきり言っておく。人の子の肉を食べ、その血を飲まなければ、あなたたちの内に命はない。54わたしの肉を食べ、わたしの血を飲む者は、永遠の命を得、わたしはその人を終わりの日に復活させる。55わたしの肉はまことの食べ物、わたしの血はまことの飲み物だからである。56わたしの肉を食べ、わたしの血を飲む者は、いつもわたしの内におり、わたしもまたいつもその人の内にいる。57生きておられる父がわたしをお遣わしになり、またわたしが父によって生きるように、わたしを食べる者もわたしによって生きる。58これは天から降って来たパンである。先祖が食べたのに死んでしまったようなものとは違う。このパンを食べる者は永遠に生きる。」

(註)53人の子の肉を食べ~……非常に生々しい表現。特に「血を飲む」ことは律法で禁じられていたことであった(レビ記171014節参照)。

(註)56内におり~内にいる……「互いが相手の内にとどまる」というこの表現は、ヨハネ福音書に特徴的なもので、両者の深い交わりと一致を表す(ヨハネ福音書155節では、ブドウの木と枝のつながりがこのように表現されている)。

 

(オリエンス宗教研究所発行「聖書と典礼」2017 618より)

2017年6月10日 (土)

2017年 6月11日の「聖書と典礼」

2017年 6月11日の「聖書と典礼」

「三位一体の主日」

神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。

(ヨハネ福音書316節より)

 

 〔イスラエルの民が金の子牛を造って神に背き、最初の契約は破られてしまった(出エジプト記32)。しかし、神は民を見捨てることなく、再び契約を結ぼうとされる。〕

第一朗読          出エジプト記

主、主、憐れみ深く恵みに富む神。

(34章4b6節、89節)

出エジプト記

4b〔その日、〕モーセは朝早く起きて、主が命じられたとおりシナイ山に登った。手には二枚の石の板を携えていた。5主は雲のうちにあって降り、モーセと共にそこに立ち、主の御名を宣言された。6主は彼の前を通り過ぎて宣言された。「主、主、憐れみ深く恵みに富む神、忍耐強く、慈しみとまことに満ち〔た者。〕」8モーセは急いで地にひざまずき、ひれ伏して、9言った。「主よ、もし御好意を示してくださいますならば、主よ、わたしたちの中にあって進んでください。確かにかたくなな民ですが、わたしたちの罪と過ちを赦し、わたしたちをあなたの嗣業として受け入れてください。」

(註) 4二枚の石の板……掟が書かれた板。前に神から授けられた板(321516節)は砕かれ、ここではモーセが自分で石の板を切った。

(註) 5御名を宣言された……「名」は単なる呼び名ではなく、そのものの本質を表す。

(註) 9嗣業……他人に譲渡することのできない財産。

 

 〔パウロがコリントにあてた第二の手紙の結びの部分。〕

第二朗読     (ニ)コリントの信徒への手紙

イエス・キリストの恵み、神の愛、聖霊の交わりが、

あなたがた一同と共にあるように。

(13章1113節)

使徒パウロのコリントの教会への手紙

 11兄弟たち、喜びなさい。完全な者になりなさい。励まし合いなさい。思いを一つにしなさい。平和を保ちなさい。そうすれば、愛と平和の神があなたがたと共にいてくださいます。12聖なる口づけによって互いに挨拶を交わしなさい。すべての聖なる者があなたがたによろしくとのことです。
 
13主イエス・キリストの恵み、神の愛、聖霊の交わりが、あなたがた一同と共にあるように。

(註)12聖なる口づけ……礼拝集会の中で行われていた動作(一コリントの信徒への手紙1620節参照)。

(註) 聖なる者……キリスト者を指すことば。

(註)13聖霊の交わり……ここでは、聖霊によってキリストのうちに一つに結ばれたキリスト者相互の交わりを意味しているのであろう。なお、ミサの開催でのあいさつの言葉の一つは本節からとられている。

 

 〔ファリサイ派の議員であるニコデモとの対話(ヨハネ福音書3115節)に続いて語られている。イエス自身のことばとも、福音記者のことばともとれる。〕

福音朗読       ヨハネによる福音書

神が御子を遣わされたのは、御子によって世が救われるためである。

(3章1618節)

ヨハネによる福音

16神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。17神が御子を世に遣わされたのは、世を裁くためではなく、御子によって世が救われるためである。18御子を信じる者は裁かれない。信じない者は既に裁かれている。神の独り子の名を信じていないからである。

(註)17裁く……ここでは「断罪する」の意味。18節の「信じない者」への裁きは、神が断罪するということではなく、イエスの生涯を通して示された神の愛を受け入れようとしない人が、救いへの道を自分で閉ざしてしまうことを意味している(31920節参照)。

 

(オリエンス宗教研究所発行「聖書と典礼」2017 611より)

2017年6月 2日 (金)

2017年 6月 4日の「聖書と典礼」

 2017年 6月 4日の「聖書と典礼」

「聖霊降臨の主日」

五旬祭の日が来て、一同が一つになって集まっていると……。

(使徒言行録21節より)

 

 〔イエスが昇天したのち、百二十人ほどの弟子たちが、エルサレムの町の一つの家に集まり、約束された聖霊を待ち望んでいた。〕

第一朗読          使徒言行録

一同は聖霊に満たされ、話しだした。

(2章111節)

使徒たちの宣教

1五旬祭の日が来て、一同が一つになって集まっていると、2突然、激しい風が吹いて来るような音が天から聞こえ、彼らが座っていた家中に響いた。3そして、炎のような舌が分かれ分かれに現れ、一人一人の上にとどまった。4すると、一同は聖霊に満たされ、が語らせるままに、ほかの国々の言葉で話しだした。
 
5さて、エルサレムには天下のあらゆる国から帰って来た、信心深いユダヤ人が住んでいたが、6この物音に大勢の人が集まって来た。そして、だれもかれも、自分の故郷の言葉が話されているのを聞いて、あっけにとられてしまった。7人々は驚き怪しんで言った。「話をしているこの人たちは、皆ガリラヤの人ではないか。8どうしてわたしたちは、めいめいが生まれた故郷の言葉を聞くのだろうか。9わたしたちの中には、パルティア、メディア、エラムからの者がおり、また、メソポタミア、ユダヤ、カパドキア、ポントス、アジア、10フリギア、パンフィリア、エジプト、キレネに接するリビア地方などに住む者もいる。また、ローマから来て滞在中の者、11ユダヤ人もいれば、ユダヤ教への改宗者もおり、クレタ、アラビアから来た者もいるのに、彼らがわたしたちの言葉で神の偉大な業を語っているのを聞こうとは。」

(註) 1五旬祭……旧約聖書では「七週の祭」と呼ばれ、過越し祭から五十日目に祝われた。元来は「刈り入れの祭」であった。過越し祭に始まる大きなまつりの期間を締めくくるこの日、多くの巡礼者がエルサレムに集まっていた。

(註) 2……聖霊のしるし。霊(プネウマ)はもともと「風」を意味する。

(註) 3……原語の「グロッサ」は、4節では「言葉」と訳されている語である。

 

 〔コリントの教会では、聖霊の賜物について、各自が自分のいただいた賜物こそ優れたものだと考えるような傾向があり、混乱していた。この問題を扱う一コリント1214章のはじめにパウロは聖霊による一致を強調する。〕

第二朗読     一コリントの信徒への手紙

皆一つの体となるために、一つの霊によって洗礼を受けた。

(12章3b7節、1213節)

                             

 

使徒パウロのコリントの教会への手紙

 

3b〔皆さん、〕聖霊によらなければ、だれも「イエスは主である」とは言えないのです。
4賜物にはいろいろありますが、それをお与えになるのは同じ霊です。5務めにはいろいろありますが、それをお与えになるのは同じ主です。6働きにはいろいろありますが、すべての場合にすべてのことをなさるのは同じ神です。7一人一人にの働きが現れるのは、全体の益となるためです。
12体は一つでも、多くの部分から成り、体のすべての部分の数は多くても、体は一つであるように、キリストの場合も同様である。13つまり、一つの霊によって、わたしたちは、ユダヤ人であろうとギリシア人であろうと、奴隷であろうと自由な身分の者であろうと、皆一つの体となるために洗礼を受け、皆一つの霊をのませてもらったのです。

(註) 4賜物……ここで「賜物」と訳されているギリシア語の「カリスマ」は、聖霊によるさまざまな能力のこと。七節の「“霊”の働き」も同じ。優れたことばを語ったり、病気をいやしたり、奇跡を行ったり、預言や異言を話す力などを指す(810節参照)。

 

 〔ヨハネ福音書では復活の日の夕方、弟子たちに聖霊が与えられている。「復活節第二主日」にも読まれた個所。〕

福音朗読       ヨハネによる福音書

父がわたしをお遣わしになったように、わたしもあなたがたを遣わす。

聖霊をうけなさい。

(20章1923節)

ヨハネによる福音

19その日、すなわち週の初めの日の夕方、弟子たちはユダヤ人を恐れて、自分たちのいる家の戸に鍵をかけていた。そこへ、イエスが来て真ん中に立ち、「あなたがたに平和があるように」と言われた。20そう言って、手とわき腹とをお見せになった。弟子たちは、主を見て喜んだ。21イエスは重ねて言われた。「あなたがたに平和があるように。父がわたしをお遣わしになったように、わたしもあなたがたを遣わす。」22そう言ってから、彼らに息を吹きかけて言われた。「聖霊を受けなさい。23だれの罪でも、あなたがたが赦せば、その罪は赦される。だれの罪でも、あなたがたが赦さなければ、赦されないまま残る。」

(註)22息を吹きかけて……創世記27節参照。聖霊が与えられることを意味する動作。

(註) 聖霊を受けなさい……聖霊を与えることは、最後の晩さんの説教(ヨハネ福音書1416章)の中で約束されていた。

(註)23だれの罪でも~……マタイ福音書1619節、1818節参照。罪のゆるしをもたらす使命が弟子たちに与えられるが、ゆるすことはイエスの使命の継続であり、同時に「互いに愛し合う」(1334節、1512節参照)ことの一つの典型でもあると言えよう。

 

(オリエンス宗教研究所発行「聖書と典礼」20176 4より)

 

 

~~~~~~~~~~~復活節から年間へ~~~~~~~~~~~
 典礼暦はきょうの聖霊降臨の主日で復活節が終わり、明日から再び年間が始まります。

典礼で用いる祭服などの色は、年間に用いる緑となります。

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