2018年2月17日 (土)

2018年 2月18日の「聖書と典礼」

2018年 2月18日の「聖書と典礼」

「四旬節第1主日」 B

わたしは雲の中にわたしの虹を置く。

(創世記913節より)

 

 〔洪水の後、箱舟から出たノアと息子たちに神の約束が告げられる。この約束はすべての生き物に及ぶ。新約聖書では、この洪水は洗礼を前もって表すものとされる(第二朗読参照)。〕

第一朗読            創世記 

洪水から救われたノアと結ばれた神の契約。

(9章815節)

創世記

8 神はノアと彼の息子たちに言われた。
9 「わたしは、あなたたちと、そして後に続く子孫と、契約を立てる。10あなたたちと共にいるすべての生き物、またあなたたちと共にいる鳥や家畜や地のすべての獣など、箱舟から出たすべてのもののみならず、地のすべての獣と契約を立てる。11わたしがあなたたちと契約を立てたならば、二度と洪水によって肉なるものがことごとく滅ぼされることはなく、洪水が起こって地を滅ぼすことも決してない。」
12 更に神は言われた。
 「あなたたちならびにあなたたちと共にいるすべての生き物と、代々とこしえにわたしが立てる契約のしるしはこれである。13すなわち、わたしは雲の中にわたしの虹を置く。これはわたしと大地の間に立てた契約のしるしとなる。14わたしが地の上に雲を湧き起こらせ、雲の中に虹が現れると、15わたしは、わたしとあなたたちならびにすべての生き物、すべて肉なるものとの間に立てた契約に心を留める。水が洪水となって、肉なるものをすべて滅ぼすことは決してない。」 

(註) 9契約を立てる・・・この契約は神と人との双方によって結ばれるのではなく、神の一方的な約束によって立てられる。

(註)11肉なるもの・・・「生き物」のことであるが、滅びゆく弱い者としての生き物を意味することば。

(註)12契約のしるし・・・アブラハムとの契約では割礼がしるしとなる(創世記1711)

(註)13・・・「虹」は天と地を結ぶものと考えられている。

(註)15契約に心を留める・・・契約に心を留めるのも人間ではなく、神ご自身である。神はご自分の契約を忘れられない。

 

 〔この手紙は洗礼を受けて新しく信者になった人々への説教がもとになっていると考えられている。〕

第二朗読        (一)ペトロの手紙 

洗礼は今やあなたがたをも救う。

(3章1822節)

使徒ペトロの手紙

18 〔愛する皆さん、キリストは、〕罪のためにただ一度苦しまれました。正しい方が、正しくない者たちのために苦しまれたのです。あなたがたを神のもとへ導くためです。キリストは、肉では死に渡されましたが、霊では生きる者とされたのです。19そして、霊においてキリストは、捕らわれていた霊たちのところへ行って宣教されました。20この霊たちは、ノアの時代に箱舟が作られていた間、神が忍耐して待っておられたのに従わなかった者です。この箱舟に乗り込んだ数人、すなわち八人だけが水の中を通って救われました。21この水で前もって表された洗礼は、今やイエス・キリストの復活によってあなたがたをも救うのです。洗礼は、肉の汚れを取り除くことではなくて、神に正しい良心を願い求めることです。22キリストは、天に上って神の右におられます。天使、また権威や勢力は、キリストの支配に服しているのです。 

(註)18ただ一度苦しまれました・・・十字架の苦しみを指す。

(註)19捕らわれていた霊たち・・・ノアの時代に堕落した「神の子ら」のことを指すと思われる。創世記614節参照。

(註)20ノアの時代・・・創世記69章の洪水が起こった時代。

(註) 箱舟・・・本節と次節から、箱舟は後に教会の前表と考えられるようになった。

(註)21前もって表された・・・旧約の出来事の中に、今のわたしたちの救いが暗示されていると考えられている。

 

〔ヨルダン川でイエスが洗礼を受けた直後のこと。〕

                             福音朗読       マルコによる福音書 

イエスはサタンから誘惑を受けられた。天使たちがイエスに仕えていた。

(1章1215節)

 

 

マルコによる福音

 

12 〔そのとき、〕はイエスを荒れ野に送り出した。13イエスは四十日間そこにとどまり、サタンから誘惑を受けられた。その間、野獣と一緒におられたが、天使たちが仕えていた。
14 ヨハネが捕らえられた後、イエスはガリラヤへ行き、神の福音を宣べ伝えて、15「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい」と言われた。

(註)12 “霊”・・・聖霊のこと。聖霊は、洗礼のときイエスに降り、イエスの活動を常に導いている。

(註)13四十日間・・・四旬節はこれを原型としているが、40という数は試練や苦しみを表す。

(註) 野獣・・・人を脅かすもの。天使と一緒に出てくるのは詩編911113節を思わせる。

 

(オリエンス宗教研究所発行「聖書と典礼」2018 218より)

2018年2月14日 (水)

2018年 2月14日の「聖書と典礼」

2018年 2月14日の「聖書と典礼」

「灰の水曜日」 B

隠れたところにおられるあなたの父に祈りなさい。

(マタイ福音書66節より)

 

 〔ヨエルが預言をした時代はペルシア帝国の支配の末期にあたるといわれる。当時は恐ろしいイナゴの襲来があったようで(14節参照)、ヨエルはこれを主の怒りの日の予兆として、民に回心を求めた。〕

第一朗読           ヨエル書

衣を裂くのではなく、お前たちの心を引き裂け。

(2章1218節)

                             

 

ヨエルの預言

 

12主は言われる。
「今こそ、心からわたしに立ち帰れ
断食し、泣き悲しんで。

13衣を裂くのではなく
お前たちの心を引き裂け。」

 

あなたたちの神、主に立ち帰れ。
主は恵みに満ち、憐れみ深く
忍耐強く、慈しみに富み
くだした災いを悔いられるからだ。

14あるいは、主が思い直され
その後に祝福を残し
あなたたちの神、主にささげる穀物とぶどう酒を
残してくださるかもしれない。

 

15シオンで角笛を吹き
断食を布告し、聖会を召集せよ。

16民を呼び集め、会衆を聖別し
長老を集合させよ。
幼子、乳飲み子を呼び集め
花婿を控えの間から
花嫁を祝いの部屋から呼び出せ。

17祭司は神殿の入り口と祭壇の間で泣き
主に仕える者は言うがよい。
「主よ、あなたの民を憐れんでください。
あなたの嗣業である民を恥に落とさず
国々の嘲りの種としないでください。
『彼らの神はどこにいるのか』と
なぜ諸国の民に言わせておかれるのですか。」

 

18そのとき
主は御自分の国を強く愛し
その民を深く憐れまれた。

(註)13衣を裂く・・・これ自体回心のしるしだが、さらに「心を引き裂け」という表現で、徹底した回心を求めている。

 

(註) 主は恵に満ち~・・・出エジプト記346節参照。

(註) くだした災い・・・いなごの群れのこと。神に捧げる作物も残らないほどの被害がもたらされた。

(註)15聖会・・・礼拝のために召集された集会のこと。

(註)17嗣業・・・賜物、所有、相続財産のこと。イスラエルの民は、神がエジプトから導き出し、ご自分のものとされた民であるので、神の嗣業といわれる。

 

 〔この手紙の中で、自分の使徒としての任務を明らかにしてきたパウロは、それが「和解のために奉仕する任務」(518節)であると言う。そして、続くこの個所で、キリストによる神との和解を受け入れるよう呼びかける。〕

第二朗読     (二)コリントの信徒への手紙 

神と和解させていただきなさい。今や恵みの時。

(5章20節〜6章2節)

使徒パウロのコリントの教会への手紙

520〔皆さん、〕神がわたしたちを通して勧めておられるので、わたしたちはキリストの使者の務めを果たしています。キリストに代わってお願いします。神と和解させていただきなさい。21罪と何のかかわりもない方を、神はわたしたちのために罪となさいました。わたしたちはその方によって神の義を得ることができたのです。
61わたしたちはまた、神の協力者としてあなたがたに勧めます。神からいただいた恵みを無駄にしてはいけません。2なぜなら、
 「恵みの時に、わたしはあなたの願いを聞き入れた。
 救いの日に、わたしはあなたを助けた」
と神は言っておられるからです。今や、恵みの時、今こそ、救いの日。

(註)62「恵みの時に~」・・・イザヤ書498節からの引用。

 

 〔山上の説教の一節。「あなたがたの天の父が完全であられるように、あなたがたも完全な者となりなさい」(548節)ということばに続く個所。〕

福音朗読       マタイによる福音書 

隠れたことを見ておられる父が、あなたに報いてくださる。

(6章16節、1618節)

マタイによる福音

 〔そのとき、イエスは弟子たちに言われた。〕1「見てもらおうとして、人の前で善行をしないように注意しなさい。さもないと、あなたがたの天の父のもとで報いをいただけないことになる。
 2だから、あなたは施しをするときには、偽善者たちが人からほめられようと会堂や街角でするように、自分の前でラッパを吹き鳴らしてはならない。はっきりあなたがたに言っておく。彼らは既に報いを受けている。3施しをするときは、右の手のすることを左の手に知らせてはならない。4あなたの施しを人目につかせないためである。そうすれば、隠れたことを見ておられる父が、あなたに報いてくださる。
 5祈るときにも、あなたがたは偽善者のようであってはならない。偽善者たちは、人に見てもらおうと、会堂や大通りの角に立って祈りたがる。はっきり言っておく。彼らは既に報いを受けている。6だから、あなたが祈るときは、奥まった自分の部屋に入って戸を閉め、隠れたところにおられるあなたの父に祈りなさい。そうすれば、隠れたことを見ておられるあなたの父が報いてくださる。
 16断食するときには、あなたがたは偽善者のように沈んだ顔つきをしてはならない。偽善者は、断食しているのを人に見てもらおうと、顔を見苦しくする。はっきり言っておく。彼らは既に報いを受けている。17あなたは、断食するとき、頭に油をつけ、顔を洗いなさい。18それは、あなたの断食が人に気づかれず、隠れたところにおられるあなたの父に見ていただくためである。そうすれば、隠れたことを見ておられるあなたの父が報いてくださる。」

(註) 2偽善者・・・マタイでは律法学者やファリサイ派を指す(2313節参照)。原語は「俳優」の意味があり、表の態度と心の中が違うことを指す意味合いがある(1578節、2218節参照)。

 

(オリエンス宗教研究所発行「聖書と典礼」2018 214より)

2018年2月 9日 (金)

2018年 2月11日の「聖書と典礼」

2018年 2月11日の「聖書と典礼」

「年間第6主日」 B

主は豊かなあがないに満ち、いつくしみ深い。

(答唱詩編 答唱句)

 

 〔蛇に誘惑されて人(アダム)が罪を犯した後の神のことば。罪によって神から離れてしまった人間の苦しみが描かれている。なお、この日の第一朗読の箇所は日本の教会のための独自の箇所である。ちなみに、ローマ規範版の『ミサの朗読配分』では、この日の第一朗読はレビ記1312節、4446節となっている。〕

第一朗読            創世記 

お前のゆえに、土は呪われる者となった。お前は生涯苦しむ。

(3章1619節)

創世記

16神は女に向かって言われた。
「お前のはらみの苦しみを大きなものにする。
お前は、苦しんで子を産む。
お前は男を求め
彼はお前を支配する。」

17神はアダムに向かって言われた。
「お前は女の声に従い
取って食べるなと命じた木から食べた。
お前のゆえに、土は呪われるものとなった。
お前は、生涯食べ物を得ようと苦しむ。

18お前に対して
土は茨とあざみを生えいでさせる
野の草を食べようとするお前に。

19お前は顔に汗を流してパンを得る
土に返るときまで。
お前がそこから取られた土に。
塵にすぎないお前は塵に返る。」

(註)16はらみ・・・孕(はら)むこと。つまり、子どもを身ごもること。

(註) 彼はお前を支配する・・・男が女を支配するということは、神の本来の意思によるのではなく、人間の罪の結果である。

(註)18茨とあざみ・・・共にとげのある雑草。食物となる草木が生えるのを妨げる。

(註)19土 塵・・・人は土の塵から形づくられ、「命の息」をふき入れられて生きるものとなった(創世記27節参照)。それゆえ、人は神から離れれば、むなしく滅び行くものでしかないのである。

 

 〔「『すべてのことが許されている。』 しかし、すべてのことが益になるわけではない」(1023節)というパウロは、偶像に供えられた肉を食べてもよいか、という問題に関連して、キリスト者の生き方全体がすべての人の救いのためであることを語る。〕

第二朗読    (一)コリントの信徒への手紙 

わたしがキリストに倣う者であるように、

あなたがたもこのわたしに倣う者となりなさい。

(10章31節〜11章 1節)

使徒パウロのコリントの教会への手紙

                             1031〔皆さん、〕あなたがたは食べるにしろ飲むにしろ、何をするにしても、すべて神の栄光を現すためにしなさい。32ユダヤ人にも、ギリシア人にも、神の教会にも、あなたがたは人を惑わす原因にならないようにしなさい。33わたしも、人々を救うために、自分の益ではなく多くの人の益を求めて、すべての点ですべての人を喜ばそうとしているのですから。111わたしがキリストに倣う者であるように、あなたがたもこのわたしに倣う者となりなさい。

(註)1032神の教会・・・この手紙にたびたび登場する表現(12節、1116節、22)。教会が神のものであることを明示する。

(註)111キリストに倣う・・・ここでは徹底的に自分を低くされ、仕える者となられてキリストの姿(フィリピの信徒への手紙26節―8節参照)が考えられているのであろう。

 

〔ガリラヤでのイエスの活動の一コマ。〕

 福音朗読       マルコによる福音書 

重い皮膚病は去り、その人は清くなった。

(1章4045節)

マルコによる福音

40〔そのとき、〕重い皮膚病を患っている人が、イエスのところに来てひざまずいて願い、「御心ならば、わたしを清くすることがおできになります」と言った。41イエスが深く憐れんで、手を差し伸べてその人に触れ、「よろしい。清くなれ」と言われると、42たちまち重い皮膚病は去り、その人は清くなった。43イエスはすぐにその人を立ち去らせようとし、厳しく注意して、44言われた。「だれにも、何も話さないように気をつけなさい。ただ、行って祭司に体を見せ、モーセが定めたものを清めのために献げて、人々に証明しなさい。」45しかし、彼はそこを立ち去ると、大いにこの出来事を人々に告げ、言い広め始めた。それで、イエスはもはや公然と町に入ることができず、町の外の人のいない所におられた。それでも、人々は四方からイエスのところに集まって来た。

(註)40重い皮膚病・・・現代でいう「ハンセン病」を含むが、似たような病状全体を表すことば。古代には治療法がなく非常に恐れられていた。律法では、この病気の人は「汚れた者」と考えられ、共同体から追放され、健常者に近づくことを許されなかった(レビ記134546節参照)。

(註) 御心ならば・・・直訳は「あなたが望むならば」。次節の「よろしい」は、直訳では「わたしは望む」である。

(註)41深く憐れんで・・・はらわたが激しく動かされるさまを表す語で、深い共感を意味する。なお「怒って」とする写本もあり、その場合は、人間を苦しめているものへの怒りを表していると考えられる。

(註)43厳しく注意して・・・原語は、「息巻いて、がみがみ言う」といった意味合い。

(註)44話さないように・・・イエスはたびたびいやしを口止めしている(マルコ福音書543節など)

(註) 祭司に体を見せ~・・・清めの儀式については、レビ記14章に詳しい規定がある。この儀式を経なければ、病人は社会復帰することができなかった。

 

(オリエンス宗教研究所発行「聖書と典礼」2018 211より)

2018年2月 2日 (金)

2018年 2月 4日の「聖書と典礼」

2018年 2月 4日の「聖書と典礼」

「年間第5主日」 B

イエスがそばに行き、手を取って起こされると・・・・・・。

(マルコ福音書 131節より)

 

 〔友人であるエリファズがすべてを神にゆだねるよう諭すのに対して、苦しみのどん底にいるヨブはあくまでも神の答えを求め続ける。〕

第一朗読            ヨブ記

わたしはいらだって夜明けを待つ。

(7章14節、67節)

ヨブ記

〔ヨブは言った。〕
1
この地上に生きる人間は兵役にあるようなもの。
 
傭兵のように日々を送らなければならない。
2
奴隷のように日の暮れるのを待ち焦がれ
 
傭兵のように報酬を待ち望む。
3
そうだ
 
わたしの嗣業はむなしく過ぎる月日。
 
労苦の夜々が定められた報酬。
4
横たわればいつ起き上がれるのかと思い
 
夜の長さに倦み
 
いらだって夜明けを待つ。
6
わたしの一生は機の梭よりも速く
 
望みもないままに過ぎ去る。

7忘れないでください
わたしの命は風にすぎないことを。
わたしの目は二度と幸いを見ないでしょう。

(註)1傭兵・・・「雇い人」とも訳せる。2節も同じ。

(註)3嗣業・・・神から与えられた賜物。財産。」

(註)4いらだって夜明けを待つ・・・「夜明けまで転げまわる」とも訳される。

(註)6(はた)()・・・機織りのときに横糸を通すために用いられるもの。左右から投げるように通す。

(註)7・・・原語は「ルーアッハ」。「息」とも訳せる。

 

 〔コリントの教会には、パウロの使途としての権利を疑う人がいたらしい。パウロは自分が福音のためにすべてをかけていることを力説する。〕

第二朗読    (一)コリントの信徒への手紙 

福音を告げ知らせないなら、わたしは不幸である。

(9章1619節、2223節)

使徒パウロのコリントの教会への手紙

16〔皆さん、〕わたしが福音を告げ知らせても、それはわたしの誇りにはなりません。そうせずにはいられないことだからです。福音を告げ知らせないなら、わたしは不幸なのです。17自分からそうしているなら、報酬を得るでしょう。しかし、強いられてするなら、それは、ゆだねられている務めなのです。18では、わたしの報酬とは何でしょうか。それは、福音を告げ知らせるときにそれを無報酬で伝え、福音を伝えるわたしが当然持っている権利を用いないということです。
19わたしは、だれに対しても自由な者ですが、すべての人の奴隷になりました。できるだけ多くの人を得るためです。22弱い人に対しては、弱い人のようになりました。弱い人を得るためです。すべての人に対してすべてのものになりました。何とかして何人かでも救うためです。23福音のためなら、わたしはどんなことでもします。それは、わたしが福音に共にあずかる者となるためです。

(註)17強いられてする・・・パウロは自発的に使徒職についたのではなく、キリストに捕らえられてキリストの僕になったと考えている。

(註)18当然持っている権利・・・福音を告げ知らせる人は、そのことによって生計を立てることができるという権利(96節、14節参照)

(註)19人を得る・・・その人を滅びから救い出し、神の国に招き入れるという意味。

 

 〔マルコ福音書はイエスの活動の様子を、カファルナウムでの一日の出来事として伝える。この箇所は、安息日に会堂で教えたことに続く場面。〕

福音朗読        マルコによる福音書 

イエスは、いろいろな病気にかかっている大勢の人たちをいやした。

(1章2939節)

マルコによる福音

                             

29〔そのとき、イエスは〕会堂を出て、シモンとアンデレの家に行った。ヤコブとヨハネも一緒であった。30シモンのしゅうとめが熱を出して寝ていたので、人々は早速、彼女のことをイエスに話した。31イエスがそばに行き、手を取って起こされると、熱は去り、彼女は一同をもてなした。32夕方になって日が沈むと、人々は、病人や悪霊に取りつかれた者を皆、イエスのもとに連れて来た。33町中の人が、戸口に集まった。34イエスは、いろいろな病気にかかっている大勢の人たちをいやし、また、多くの悪霊を追い出して、悪霊にものを言うことをお許しにならなかった。悪霊はイエスを知っていたからである。
35
朝早くまだ暗いうちに、イエスは起きて、人里離れた所へ出て行き、そこで祈っておられた。36シモンとその仲間はイエスの後を追い、37見つけると、「みんなが捜しています」と言った。

38イエスは言われた。「近くのほかの町や村へ行こう。そこでも、わたしは宣教する。そのためにわたしは出て来たのである。」39そして、ガリラヤ中の会堂に行き、宣教し、悪霊を追い出された。

(註)29シモンと~・・・この四人は最初に選ばれた弟子。

(註)31もてなした・・・原語は「仕える」を意味する語。(1045節参照)救われることは仕える者となるためであることが暗示されていよう。

(註)34悪霊にもの言うことを~・・・相手を支配することであった。それゆえ黙らせた。

(註)38宣教する・・・神の国の到来を「告げ知らせる」こと(115節参照)。これがイエスの活動の中心であり、病人をいやし、悪霊を追い出すのは、そのしるしであった。

 

(オリエンス宗教研究所発行「聖書と典礼」2018 2 4より)

2018年1月19日 (金)

2018年1月21日の「聖書と典礼」

2018年1月21日の「聖書と典礼」

「年間第3主日」 B

この二人も・・・・・・、イエスの後について行った。

(マルコ福音書 120節より)

 

 〔ヨナは初め、預言者として二ネべに行くことを拒んだ。しかし、神によって災難から救われた後、神に従うようになった(12)。〕

第一朗読 ヨナ書

二ネべの人々は悪の道を離れた。

(3章15節、10節)

ヨナの預言

1 主の言葉が再びヨナに臨んだ。2「さあ、大いなる都ニネベに行って、わたしがお前に語る言葉を告げよ。」
3 ヨナは主の命令どおり、直ちにニネベに行った。ニネベは非常に大きな都で、一回りするのに三日かかった。4ヨナはまず都に入り、一日分の距離を歩きながら叫び、そして言った。
 「あと四十日すれば、ニネベの都は滅びる。」
5 すると、ニネベの人々は神を信じ、断食を呼びかけ、身分の高い者も低い者も身に粗布をまとった。
10 神は彼らの業、彼らが悪の道を離れたことを御覧になり、思い直され、宣告した災いをくだすのをやめられた。

(註) 2二ネべ・・・・・・アッシリア帝国の首都。

(註) 5断食・・・・・・回心のしるし。「粗布をまとう」も同じ(ヨエル書113節参照)

 

 〔パウロはコリントの教会からの質問に答えて結婚について述べながら、世の終わりを前にしたキリスト者が何よりも神に心を向けて生きるように促す。〕

第二朗読    (一)コリントの信徒への手紙

この世の有様は過ぎ去る。

(7章2931節)

使徒パウロのコリントの教会への手紙

29兄弟たち、わたしはこう言いたい。定められた時は迫っています。今からは、妻のある人はない人のように、30泣く人は泣かない人のように、喜ぶ人は喜ばない人のように、物を買う人は持たない人のように、31世の事にかかわっている人は、かかわりのない人のようにすべきです。この世の有様は過ぎ去るからです。

(註)29定められた時・・・・・・初代教会において、キリストの再臨の時は間近に迫っていると感じられていた。

 

 〔イエスの宣教開始と最初の弟子の召命の場面。〕

福音朗読       マルコによる福音書

悔い改めて福音を信じなさい。

(1章1420節)

マルコによる福音

14ヨハネが捕らえられた後、イエスはガリラヤへ行き、神の福音を宣べ伝えて、15「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい」と言われた。
16イエスは、ガリラヤ湖のほとりを歩いておられたとき、シモンとシモンの兄弟アンデレが湖で網を打っているのを御覧になった。彼らは漁師だった。17イエスは、「わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしよう」と言われた。18二人はすぐに網を捨てて従った。19また、少し進んで、ゼベダイの子ヤコブとその兄弟ヨハネが、舟の中で網の手入れをしているのを御覧になると、20すぐに彼らをお呼びになった。この二人も父ゼベダイを雇い人たちと一緒に舟に残して、イエスの後について行った。

(註)14ヨハネが捕らえられた・・・・・・洗礼者ヨハネはガリラヤの領主ヘロデ・アンティパスによって捕らえられた。

(註) 福音・・・・・・「よい知らせ」の意味。この福音の内容は「神の国の到来」のことである。

(註)15時は満ち・・・・・・神の計画の中での決定的な救いの時が来た、という意味。

(註) 神の国は近づいた・・・・・・「神の国(パシレイア)」とは、神が王(パシレウス)として支配すること。それは人々の解放・救いであり、イエスのこの宣言はその始まりを告げているといえる。

(註)17人間をとる漁師・・・・・・エレミヤ書1616節参照。

 

(オリエンス宗教研究所発行「聖書と典礼」2018 121より)

2018年1月12日 (金)

2018年1月14日の「聖書と典礼」

2018年1月14日の「聖書と典礼」

「年間第2主日」 B

「わたしたちは・・・・・・メシアに出会った。」

(ヨハネ福音書 141節より)

 

 〔紀元前十一世紀のこと、子供に恵まれなかったハンナは、神に願って男の子を授かった。この子サムエルは神にささげられ、祭司エリに預けられてシロの神殿で育った。〕

第一朗読         サムエル記(上)

主よ、お話しください。僕は聞いております。

(3章3b10節、19節)

サムエル記

3b〔その日、少年〕サムエルは神の箱が安置された主の神殿に寝ていた。4主はサムエルを呼ばれた。サムエルは、「ここにいます」と答えて、5〔祭司〕エリのもとに走って行き、「お呼びになったので参りました」と言った。しかし、エリが、「わたしは呼んでいない。戻っておやすみ」と言ったので、サムエルは戻って寝た。
6 主は再びサムエルを呼ばれた。サムエルは起きてエリのもとに行き、「お呼びになったので参りました」と言った。エリは、「わたしは呼んでいない。わが子よ、戻っておやすみ」と言った。

7サムエルはまだ主を知らなかったし、主の言葉はまだ彼に示されていなかった。8主は三度サムエルを呼ばれた。サムエルは起きてエリのもとに行き、「お呼びになったので参りました」と言った。エリは、少年を呼ばれたのは主であると悟り、9サムエルに言った。「戻って寝なさい。もしまた呼びかけられたら、『主よ、お話しください。僕は聞いております』と言いなさい。」サムエルは戻って元の場所に寝た。
10主は来てそこに立たれ、これまでと同じように、サムエルを呼ばれた。「サムエルよ。」サムエルは答えた。「どうぞお話しください。僕は聞いております。」
19サムエルは成長していった。主は彼と共におられ、その言葉は一つたりとも地に落ちることはなかった。

(註) 3神の箱・・・・・・十戒を刻む石の板を納めたとされる契約の箱(申命記1015節参照)。

(註) 主の神殿・・・・・・エルサレムに神殿ができる前の時代のことで、聖所はエフライムの町シロにあった。

(註) 5エリ・・・・・・シロの神殿に仕えていた祭司。

(註)19主は彼と共におられ~・・・・・・サムエルは後に全イスラエルの預言者となり、サウルやダビデに油を注いでイスラエルの王とした。

 

 〔古い律法が廃止されたということを誤解して自分勝手な振る舞いをする人々に対して、パウロはキリストに結ばれた生き方がどういうものであるかを示す。〕

                             第二朗読    (一)コリントの信徒への手紙

あなたがたの体はキリストの体の一部である。

(6章13節c15節a、1720節)

使徒パウロのコリントの教会への手紙

13c〔皆さん、〕体はみだらな行いのためではなく、主のためにあり、主は体のためにおられるのです。14神は、主を復活させ、また、その力によってわたしたちをも復活させてくださいます。

15aあなたがたは、自分の体がキリストの体の一部だとは知らないのか。17主に結び付く者は主と一つの霊となるのです。18みだらな行いを避けなさい。人が犯す罪はすべて体の外にあります。しかし、みだらな行いをする者は、自分の体に対して罪を犯しているのです。19知らないのですか。あなたがたの体は、神からいただいた聖霊が宿ってくださる神殿であり、あなたがたはもはや自分自身のものではないのです。20あなたがたは、代価を払って買い取られたのです。だから、自分の体で神の栄光を現しなさい。

(註)15キリストの体の一部・・・・・・12130節参照。

(註)19神殿・・・・・・神の住まい。(二)コリントの信徒への手紙616節参照。

(註)20代価・・・・・・キリストの十字架の血を意味する。

 

 〔毎年、年間第二主日には、ヨハネ福音書からイエスの活動の始まりの場面が読まれる。ここは最初の弟子がイエスに出会う場面。〕

福音朗読       ヨハネによる福音書 

彼らはどこにイエスが泊まっておられるかを見た。

そして、イエスのもとに泊まった。

(1章3542節)

ヨハネによる福音

35〔そのとき、〕ヨハネは二人の弟子と一緒にいた。36そして、歩いておられるイエスを見つめて、「見よ、神の小羊だ」と言った。37二人の弟子はそれを聞いて、イエスに従った。38イエスは振り返り、彼らが従って来るのを見て、「何を求めているのか」と言われた。彼らが、「ラビ――『先生』という意味――どこに泊まっておられるのですか」と言うと、39イエスは、「来なさい。そうすれば分かる」と言われた。そこで、彼らはついて行って、どこにイエスが泊まっておられるかを見た。そしてその日は、イエスのもとに泊まった。午後四時ごろのことである。40ヨハネの言葉を聞いて、イエスに従った二人のうちの一人は、シモン・ペトロの兄弟アンデレであった。41彼は、まず自分の兄弟シモンに会って、「わたしたちはメシア――『油を注がれた者』という意味――に出会った」と言った。42そして、シモンをイエスのところに連れて行った。イエスは彼を見つめて、「あなたはヨハネの子シモンであるが、ケファ――『岩』という意味――と呼ぶことにする」と言われた。

(註)35二人の弟子・・・・・・一人はアンデレ(40節)、もう一人はヨハネと考えられる。

(註)36神の子羊・・・・・・小羊は犠牲祭儀や過越しの記念に用いられ、また民の罪を贖う主のしもべの比喩(イザヤ書537節)にもなった。

(註)41メシア・・・・・・ギリシア語では「クリストス」(キリスト)。

(註)42ケファ・・・・・・アラム語で「岩」のこと。これをギリシア語に訳した名が「ペトロ」である。

 

(オリエンス宗教研究所発行「聖書と典礼」2018 114より)

2018年1月 5日 (金)

2018年1月7日の「聖書と典礼」

2018年1月7日の「聖書と典礼」

「主の公現」 B

わたしたちは東方から王を拝みに来た。

(福音朗読主題句 マタイ福音書 2 2節より)

 

 〔イザヤ書の第三の部分(5666章)はバビロンから解放され、帰国した民に向かって預言したもので「第三イザヤ」と呼ばれる。エルサレムの回復を通して神は栄光を諸国の民に現される。〕

第一朗読           イザヤ書

主の栄光はあなたの上に輝く。

(60章16節)

イザヤの預言

1〔エルサレムよ、〕起きよ、光を放て。
あなたを照らす光は昇り
主の栄光はあなたの上に輝く。

2見よ、闇は地を覆い
暗黒が国々を包んでいる。
しかし、あなたの上には主が輝き出で
主の栄光があなたの上に現れる。

3国々はあなたを照らす光に向かい
王たちは射し出でるその輝きに向かって歩む。

4目を上げて、見渡すがよい。
みな集い、あなたのもとに来る。
息子たちは遠くから
娘たちは抱かれて、進んで来る。

5そのとき、あなたは畏れつつも喜びに輝き
おののきつつも心は晴れやかになる。
海からの宝があなたに送られ
国々の富はあなたのもとに集まる。

6らくだの大群
ミディアンとエファの若いらくだが
あなたのもとに押し寄せる。
シェバの人々は皆、黄金と乳香を携えて来る。
こうして、主の栄誉が宣べ伝えられる。

(註) 6ミディアン・・・・・・最古のらくだ遊牧民として知られる部族。イスラエル人といろいろな接触があった。ミディアン人の地とは北西アラビアをいう。次の「エファ」は不明だが、同じ地を指すとも考えられる。

(註) シェバ・・・・・・アラビア南部の地。その民族の名でもある。古くから商業によって栄えた。

(註) 乳香・・・・・・アラビアから輸入される香料。古くから神殿への供え物にも用いられた。

 

 〔異邦人とユダヤ人がキリストにおいて一つとなり、神に近づくことができるようになった。パウロはこの福音に仕える恵みを与えられたことを感謝しながら語る。〕

                             

第二朗読      エフェソの信徒への手紙

今や、異邦人が約束されたものを受け継ぐ者

となるということが掲示された。

(3章2節、3節b、56節)

使徒パウロのエフェソの教会への手紙

2 〔皆さん、〕あなたがたのために神がわたしに恵みをお与えになった次第について、あなたがたは聞いたにちがいありません。3b秘められた計画が啓示によってわたしに知らされました。5この計画は、キリスト以前の時代には人の子らに知らされていませんでしたが、今やによって、キリストの聖なる使徒たちや預言者たちに啓示されました。6すなわち、異邦人が福音によってキリスト・イエスにおいて、約束されたものをわたしたちと一緒に受け継ぐ者、同じ体に属する者、同じ約束にあずかる者となるということです。 

(註) 6約束・・・・・・旧約において神の約束を受けたのは何よりもアブラハムとその子孫であった(創世記15章参照)。

 

 〔幼子イエスが、すべての民を照らす光として現される。〕

福音朗読       マタイによる福音書 

わたしは東方から王を拝みに来た。

(2章112節)

マタイによる福音

 イエスは、ヘロデ王の時代にユダヤのベツレヘムでお生まれになった。そのとき、占星術の学者たちが東の方からエルサレムに来て、言った。「ユダヤ人の王としてお生まれになった方は、どこにおられますか。わたしたちは東方でその方の星を見たので、拝みに来たのです。」これを聞いて、ヘロデ王は不安を抱いた。エルサレムの人々も皆、同様であった。王は民の祭司長たちや律法学者たちを皆集めて、メシアはどこに生まれることになっているのかと問いただした。彼らは言った。「ユダヤのベツレヘムです。預言者がこう書いています。
 『ユダの地、ベツレヘムよ、
 お前はユダの指導者たちの中で
 決していちばん小さいものではない。
 お前から指導者が現れ、
 わたしの民イスラエルの牧者となるからである。』」
 そこで、ヘロデは占星術の学者たちをひそかに呼び寄せ、星の現れた時期を確かめた。そして、「行って、その子のことを詳しく調べ、見つかったら知らせてくれ。わたしも行って拝もう」と言ってベツレヘムへ送り出した。彼らが王の言葉を聞いて出かけると、東方で見た星が先立って進み、ついに幼子のいる場所の上に止まった。学者たちはその星を見て喜びにあふれた。家に入ってみると、幼子は母マリアと共におられた。彼らはひれ伏して幼子を拝み、宝の箱を開けて、黄金、乳香、没薬を贈り物として献げた。ところが、「ヘロデのところへ帰るな」と夢でお告げがあったので、別の道を通って自分たちの国へ帰って行った。

(註) 1ヘロデ王・・・・・・ヘロデ大王とも呼ばれる。在位紀元前37~前4年。

(註) 占星術の学者・・・・・・「博士」とも訳される原語の「マゴイ」は、ペルシアのゾロアスター教の祭司階級「マギ」に由来する名。天体観測と占星術の専門家でもあった。

(註) 4メシア・・・・・・「油注がれた者」。本来は王を指したが、来たるべき救い主の意味になった。ギリシア語では「クリストス(キリスト)」。

(註) 6ユダの地~・・・・・・ミカ書51節の引用。ミカは紀元前八世紀にユダ王国で活動した預言者。ベツレヘムはダビデ王の出身地であるが、ミカの時代にはさびれていたようである。ミカはこの個所で、ダビデの再来であるような理想の王(メシア)の出現を預言した。なお、マタイはミカ書51節の原文を修正して引用し、ベツレヘムの重要性を強調している。最後の文ではサムエル記(下)52節を結びつけている。

(註)11乳香・・・・・・第一朗読の注参照。

(註) 没薬・・・・・・結婚式や埋葬の際に用いられた香料。味は苦い。ここでは表敬を表す贈り物として用いられている。

 

(オリエンス宗教研究所発行「聖書と典礼」2018 1 7より)

2018年1月 1日 (月)

2018年1月1日の「聖書と典礼」

2018年1月1日の「聖書と典礼」

「神の母聖マリア」 B

マリアはこれらの出来事をすべて心に納めて、

思い巡らしていた。

(ルカによる福音書219節より)

 

 〔年の初めの聖書朗読は、古くからイスラエルに伝わる祝福のことば。祭司が礼拝に集まった民を祝福する言葉であるが、この祝福の源は神ご自身である。〕

第一朗読            民数記

彼らがわたしの名をイスラエルの人々の上に置くとき、

わたしは彼らを祝福する。

(6章2227節)

民数記

22主はモーセに仰せになった。
23
アロンとその子らに言いなさい。
 あなたたちはイスラエルの人々を祝福して、次のように言いなさ

 い。
24
主があなたを祝福し、あなたを守られるように。
25
主が御顔を向けてあなたを照らし
 あなたに恵みを与えられるように。
26
主が御顔をあなたに向けて
 あなたに平安を賜るように。
27
彼らがわたしの名をイスラエルの人々の上に置くとき、

わたしは彼らを祝福するであろう。

(註)23アロン・・・・・・モーセの兄弟として知られ、イスラエルの正統の祭司の家系はこのアロンに始まると考えられた。

(註)25御顔を向けて・・・・・・好意を示すことを表す。

(註)27わたしの名を~置く・・・・・・「主が」ということばが三度唱えられることによって、主の名が民の上に置かれて、民は完全に神のものとなる。

 

 〔神は御子イエスをまことの人間として、特定の時代、民族、文化の中に生まれさせた。そのことの中にパウロは神の救いを見る。〕

第二朗読       ガラテヤの信徒への手紙

神はその御子を女の中から生まれたものとしてお遣わしになった。〕

(4章47節)

使徒パウロのガラテヤの教会への手紙

4〔皆さん、〕時が満ちると、神は、その御子を女から、しかも律法の下に生まれた者としてお遣わしになりました。5それは、律法の支配下にある者を贖い出して、わたしたちを神の子となさるためでした。6あなたがたが子であることは、神が、「アッバ、父よ」と叫ぶ御子の霊を、わたしたちの心に送ってくださった事実から分かります。7ですから、あなたはもはや奴隷ではなく、子です。子であれば、神によって立てられた相続人でもあるのです。

(註) 4時が満ちる・・・・・・神に計画の中での決定的な救いの時が来たことを意味する。

(註) 6アッバ・・・・・・アラム語で子供が父に向かって呼びかけるときのことば。イエスは神をアッバと呼び(マルコ福音書1436節)、弟子たちにもそのように祈ることを教えた(主の祈り)。

 

 〔救い主の誕生は、天使によってベツレヘム近郊で野宿していた羊飼

いたちに告げられた。主の降誕から八日目にあたるきょうの福音は、イエスの誕生に続いて起こった出来事を伝える個所が読まれる。〕

福音朗読        ルカによる福音書

羊飼いたちは、マリアとヨゼフと乳飲み子を探し当てた。

八日たって幼子はイエスと名付けられた。

2・1621

ルカによる福音

16〔そのとき、羊飼いたちは〕急いで行って、マリアとヨセフ、また

飼い葉桶に寝かせてある乳飲み子を探し当てた。17その光景を見て、〔彼らは、〕この幼子について天使が話してくれたことを人々に知らせた。18聞いた者は皆、羊飼いたちの話を不思議に思った。19しかし、マリアはこれらの出来事をすべて心に納めて、思い巡らしていた。20羊飼いたちは、見聞きしたことがすべて天使の話したとおりだったので、神をあがめ、賛美しながら帰って行った。
21八日たって割礼の日を迎えたとき、幼子はイエスと名付けられた。これは、胎内に宿る前に天使から示された名である。

(註)17天使が話してくれたこと・・・・・・ルカ福音書21012節参照。

(註)21割礼・・・・・・男子の包皮を切除すること(レビ記123節参照)。アブラハムと神の契約のしるしであり(創世記17914節)、これにより神の民の一員になると考えられた。

(註) 天使から示された名・・・・・・ルカ福音書131節、マタイ福音書121節参照。

 

(オリエンス宗教研究所発行「聖書と典礼」2018 1 1より)

2017年12月29日 (金)

2017年12月31日の「聖書と典礼」

2017年12月31日の「聖書と典礼」

「聖家族」 B

わたしはこの目であなたの救いを見た。

(ルカによる福音書 230節より)

 

 〔アブラム(のちのアブラハム)は神の呼びかけに答え、約束を信じて出発した(創世記1214節)。しかし、彼には子供がなく、彼も妻も高齢になっていた。〕

第一朗読            創世記

あなたから生まれる者が跡を継ぐ。

(15章16節、21章13節)

創世記

 〔その日、〕主の言葉が幻の中でアブラムに臨んだ。
 「恐れるな、アブラムよ。
 わたしはあなたの盾である。
 あなたの受ける報いは非常に大きいであろう。」
 アブラムは尋ねた。「わが神、主よ。わたしに何をくださるというのですか。わたしには子供がありません。家を継ぐのはダマスコのエリエゼルです。」アブラムは言葉をついだ。「御覧のとおり、あなたはわたしに子孫を与えてくださいませんでしたから、家の僕が跡を継ぐことになっています。」
 見よ、主の言葉があった。
 「その者があなたの跡を継ぐのではなく、あなたから生まれる者が跡を継ぐ。」
 主は彼を外に連れ出して言われた。「天を仰いで、星を数えることができるなら、数えてみるがよい。」そして言われた。「あなたの子孫はこのようになる。」
 アブラムは主を信じた。主はそれを彼の義と認められた。
 〔やがて、〕主は、約束されたとおりサラを顧み、さきに語られたとおりサラのために行われたので、彼女は身ごもり、年老いたアブラハムとの間に男の子を産んだ。それは、神が約束されていた時期であった。アブラハムは、サラが産んだ自分の子をイサクと名付け〔た。〕

 

 

 〔著者は、「信仰とは、望んでいる事柄を確信し、見えない事実を確認することです」(ヘブライ人への手紙111節)と言う。ここでは、昔の人々の信仰の模範が思い起こされる。〕

第二朗読 ヘブライ人への手紙

アブラハム、サラ、イサクの信仰。

(11章8節、1112節、1719節)

ヘブライ人への手紙

8 〔皆さん、〕信仰によって、アブラハムは、自分が財産として受け継ぐことになる土地に出て行くように召し出されると、これに服従し、行き先も知らずに出発したのです。11信仰によって、不妊の女サラ自身も、年齢が盛りを過ぎていたのに子をもうける力を得ました。約束をなさった方は真実な方であると、信じていたからです。12それで、死んだも同様の一人の人から空の星のように、また海辺の数えきれない砂のように、多くの子孫が生まれたのです。
17信仰によって、アブラハムは、試練を受けたとき、イサクを献げました。つまり、約束を受けていた者が、独り子を献げようとしたのです。18この独り子については、「イサクから生まれる者が、あなたの子孫と呼ばれる」と言われていました。19アブラハムは、神が人を死者の中から生き返らせることもおできになると信じたのです。それで彼は、イサクを返してもらいましたが、それは死者の中から返してもらったも同然です。

(註) 8アブラハムは~・・・・・・創世記1214節参照。

(註)11子をもうける・・・・・・創世記2117節参照。

(註)17試練を受けたとき・・・・・・創世記22118節。息子イサクを通してアブラハムの子孫がひろがっていくという約束は、イサクをいけにえとしてささげてしまえば、無に帰することになる。

 

 〔ルカの伝えるイエスの幼年時代の出来事。そこには神の救いを待ち望んでいたさまざまな人が登場する。〕

福音朗読        ルカによる福音書

幼子は育ち、知恵に満ちていた。

(2章2240節、 または 2章22節、3940節)

ルカによる福音

22モーセの律法に定められた彼らの清めの期間が過ぎたとき、両親は〔イエス〕を主に献げるため、エルサレムに連れて行った。
23それは主の律法に、「初めて生まれる男子は皆、主のために聖別される」と書いてあるからである。24また、主の律法に言われているとおりに、山鳩一つがいか、家鳩の雛二羽をいけにえとして献げるためであった。
25そのとき、エルサレムにシメオンという人がいた。この人は正しい人で信仰があつく、イスラエルの慰められるのを待ち望み、聖霊が彼にとどまっていた。26そして、主が遣わすメシアに会うまでは決して死なない、とのお告げを聖霊から受けていた。

27シメオンがに導かれて神殿の境内に入って来たとき、両親は、幼子のために律法の規定どおりにいけにえを献げようとして、イエスを連れて来た。28シメオンは幼子を腕に抱き、神をたたえて言った。
29「主よ、今こそあなたは、お言葉どおり
 この僕を安らかに去らせてくださいます。
30わたしはこの目であなたの救いを見たからです。
31これは万民のために整えてくださった救いで、
32異邦人を照らす啓示の光、
 あなたの民イスラエルの誉れです。」
33父と母は、幼子についてこのように言われたことに驚いていた。34シメオンは彼らを祝福し、母親のマリアに言った。「御覧なさい。この子は、イスラエルの多くの人を倒したり立ち上がらせたりするためにと定められ、また、反対を受けるしるしとして定められています。35――あなた自身も剣で心を刺し貫かれます――多くの人の心にある思いがあらわにされるためです。」
36また、アシェル族のファヌエルの娘で、アンナという女預言者がいた。非常に年をとっていて、若いとき嫁いでから七年間夫と共に暮らしたが、37夫に死に別れ、八十四歳になっていた。彼女は神殿を離れず、断食したり祈ったりして、夜も昼も神に仕えていたが、38そのとき、近づいて来て神を賛美し、エルサレムの救いを待ち望んでいる人々皆に幼子のことを話した。
39親子は主の律法で定められたことをみな終えたので、自分たちの町であるガリラヤのナザレに帰った。40幼子はたくましく育ち、知恵に満ち、神の恵みに包まれていた。

(註)22清めの期間・・・・・・男子を出産した女性の清めは主産後四十日(レビ記1218節)。

(註)23初めて生まれる男子は~・・・・・・出エジプト記132節、12節、民数記181516節参照。

(註)24山鳩一つがい~・・・・・・レビ記128節参照。これは貧しい人のささげ物であった。

(註)25慰められる・・・・・・神がもたらせる救いのこと。イザヤ書401節、4913節参照。

(註)34御覧なさい~・・・・・・シメオンのこの言葉は、イエスの活動と受難を預言するものである。またイエスの受難に際してのマリアの苦しみをも告げている。

(註)36アシェル族・・・・・・イスラエルの十二部族の一つ。ガリラヤ地方西部の土地が与えられた部族である。

 

(オリエンス宗教研究所発行「聖書と典礼」20171231より)

2017年12月24日 (日)

2017年12月25日の「聖書と典礼」

2017年12月25日の「聖書と典礼」

「主の降誕 (日中のミサ)」 B

(ことば)は肉となって、わたしたちの間に宿られた。

わたしたちはその栄光を見た。

(ヨハネによる福音書114節より)

 

 〔紀元前六世紀、イスラエルの民がバビロンで捕囚になっていた時代の預言。王も民も失い、廃墟のようになっていたエルサレムの町に救いが告げられる。〕

第一朗読           イザヤ書

地の果てまで、すべての人がわたしたちの神の救いを仰ぐ。

(52章710節)

イザヤの預言

7いかに美しいことか
山々を行き巡り、良い知らせを伝える者の足は。
彼は平和を告げ、恵みの良い知らせを伝え
救いを告げ
あなたの神は王となられた、と
シオンに向かって呼ばわる。

8その声に、あなたの見張りは声をあげ
皆共に、喜び歌う。
彼らは目の当たりに見る
主がシオンに帰られるのを。

9歓声をあげ、共に喜び歌え、エルサレムの廃虚よ。
主はその民を慰め、エルサレムを贖われた。

10主は聖なる御腕の力を
国々の民の目にあらわにされた。
地の果てまで、すべての人が
わたしたちの神の救いを仰ぐ。

(註) 7・・・・・・良い知らせ(福音)を伝えるために走っていく伝令のイメージである。この伝令は預言者自身であろう。

(註) 8見張り・・・・・・エルサレムの城壁の上に立って、周囲を警戒し町を守っている人。この人が真っ先に良い知らせを聞き、民に伝える。

(註) 9贖われた・・・・・・「贖う」はもともとは、「売られた物や人を買い戻すこと。代価を払って奴隷を自由の身にすること」を意味した。

 

 〔ヘブライ書は、試練の中にあるキリスト信者に、信仰にとどまるよう励ます。その冒頭でイエスの偉大さと、イエスによって実現したことの素晴らしさが語られる。

第二朗読 ヘブライ人への手紙

神は、御子によってわたしたちに語られた。

(1章16節)

ヘブライ人への手紙

1 神は、かつて預言者たちによって、多くのかたちで、また多くのしかたで先祖に語られたが、2この終わりの時代には、御子によってわたしたちに語られました。神は、この御子を万物の相続者と定め、また、御子によって世界を創造されました。3御子は、神の栄光の反映であり、神の本質の完全な現れであって、万物を御自分の力ある言葉によって支えておられますが、人々の罪を清められた後、天の高い所におられる大いなる方の右の座にお着きになりました。4御子は、天使たちより優れた者となられました。天使たちの名より優れた名を受け継がれたからです。
5いったい神は、かつて天使のだれに、
 「あなたはわたしの子、
 わたしは今日、あなたを産んだ」
と言われ、更にまた、
 「わたしは彼の父となり、
 彼はわたしの子となる」
と言われたでしょうか。
6〔むしろ、〕神はその長子をこの世界に送るとき、
 「神の天使たちは皆、彼を礼拝せよ」
と言われました。

(註) 2終わりの時代・・・・・・神が人類の歴史に介入する時のこと。この時代はイエスによって始まった。

(註) 5あなたはわたしの子~・・・・・・詩編27節の引用。

(註) わたしは彼の~・・・・・・サムエル記下714節の引用。その個所では、「彼」はダビデの子ソロモンを指しているが、ヘブライ書はこのことばをダビデの子孫であるキリストにあてはめる。

(註) 6神の天使たちは~・・・・・・旧約聖書ギリシア語訳からの引用(申命記3243節、詩編977節)。

 

 〔ヨハネ福音書の序文と言われる部分。イエス・キリストが世に来られたことの深い意味を語る。〕

福音朗読        ヨハネによる福音書

言は肉となって、わたしたちの間に宿られた。

1・118、 または 1・15、914

ヨハネによる福音

1 初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった。

2この言は、初めに神と共にあった。3万物は言によって成った。成ったもので、言によらずに成ったものは何一つなかった。4言の内に命があった。命は人間を照らす光であった。5光は暗闇の中で輝いている。暗闇は光を理解しなかった。
 
6神から遣わされた一人の人がいた。その名はヨハネである。7彼は証しをするために来た。光について証しをするため、また、すべての人が彼によって信じるようになるためである。8彼は光ではなく、光について証しをするために来た。
9その光は、まことの光で、世に来てすべての人を照らすのである。10言は世にあった。世は言によって成ったが、世は言を認めなかった。11言は、自分の民のところへ来たが、民は受け入れなかった。12しかし、言は、自分を受け入れた人、その名を信じる人々には神の子となる資格を与えた。13この人々は、血によってではなく、肉の欲によってではなく、人の欲によってでもなく、神によって生まれたのである。
14言は肉となって、わたしたちの間に宿られた。わたしたちはその栄光を見た。それは父の独り子としての栄光であって、恵みと真理とに満ちていた。
15ヨハネは、この方について証しをし、声を張り上げて言った。「『わたしの後から来られる方は、わたしより優れている。わたしよりも先におられたからである』とわたしが言ったのは、この方のことである。」16わたしたちは皆、この方の満ちあふれる豊かさの中から、恵みの上に、更に恵みを受けた。17律法はモーセを通して与えられたが、恵みと真理はイエス・キリストを通して現れたからである。18いまだかつて、神を見た者はいない。父のふところにいる独り子である神、この方が神を示されたのである。

(註) 1初めに・・・・・・このことばは創世記11節と同じことば。

(註)  言(ことば)・・・・・・ギリシア語では、「ロゴス」。この箇所では、創世記13節で「光あれ」と言われた神のことばや、知恵919節などに見られるような「神の知恵(ソフィア)」のことを思わせる。

(註) 5暗闇は光を理解しなかった・・・・・・「闇は光に打ち勝たなかった」とも訳せる。

(註) 6ヨハネ・・・・・・洗礼者ヨハネを指す。

(註)14・・・・・・「肉」は人間を意味するが、特に、弱く滅びゆくものとしての人間を指すときに用いられることば。

(註) 宿られた・・・・・・元のことばの意味は「天幕を張る」。神の幕屋(神殿)のイメージで、神が民の中に住むことを表すことばである。

 

(オリエンス宗教研究所発行「聖書と典礼」20171225より)

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